中古マンション価格、急行停車駅なら高い?

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不動産価格は都心部からの距離だけでなく、最寄り駅に高度な商業施設があるかや急行停車駅かなどによっても影響を受けます。どの程度の格差が生じているか、東急田園都市線を題材に定量的に調べました。

東日本不動産流通機構に登録された田園都市線沿線の最寄り駅から徒歩20分以内の中古マンションの成約データ1854件(2020年9月~21年8月)を利用します。これらの成約データは、最寄り駅も異なれば、最寄り駅からの距離や築年数、専有面積、所在階も異なります。最寄り駅ごとに平均値をとって推定する方法もありますが、これらの成約データで最寄り駅ごとの平均築年数や駅までの距離などが大きく違っていた場合、駅ごとの推定価格は必ずしも精度の高いものとはいえなくなってしまいます。

そこで距離や築年数、専有面積、所在階、最寄り駅によって成約単価がどのように形成されるかを最小二乗法やその発展型などを利用して分析し、価格推定モデルを策定してみました。この価格推定モデルを使って、田園都市線の各駅から徒歩10分、築年数15年、所在階5階、専有面積70平方メートルという属性を持つ中古マンションが存在するとして成約価格がいくらになるかを推定しました。グラフはこれらの属性を持つと仮定した各駅の中古マンション推定単価です。グラフは渋谷駅から中央林間駅まで順に並んでいます。渋谷駅から遠ざかるほど価格が下がっていく様子が分かります。渋谷駅が1億円超と突出しており、池尻大橋駅から二子玉川駅(平均約7000万円)、二子新地駅から青葉台駅(平均約4000万円)、田奈駅から中央林間駅(平均約3000万円)と、渋谷から遠ざかるほど価格が低下していることが分かります。一方、池尻大橋駅から二子玉川駅と二子新地駅から青葉台駅というブロックをみると、ブロック内には渋谷駅からの距離とは関係のない顕著な格差が表れていることが分かります。池尻大橋駅から二子玉川駅までのブロックは、用賀駅までは徐々に価格が下が

二子新地駅から青葉台駅までのブロックを見ると、多摩川を越えるだけで都区部エリアとは大きな格差が生じていることが分かります。特徴的なのは、急行停車駅であるたまプラーザ、あざみ野、青葉台が、より渋谷駅に近い溝の口駅とそん色のない価格帯となっていることです。特に青葉台については、江田から藤が丘までの平均価格が約3300万円強であったのに対して、800万円超のプラスとなっていました。たまプラーザ駅と青葉台駅は急行停車駅であることに加え、たまプラーザテラス、青葉台東急スクエアといった大型商業施設があること、あざみ野は横浜市営地下鉄の乗換駅であり横浜方面へ向かう交通起点という点で周辺駅よりも高く評価された結果だと思われます。

今回の調査では、実感と変わらない結果にはなったとは思いますが、多摩川を越えるかどうかで格差が極めて大きいこと、ターミナル駅から遠くなっても駅前の繁華性や急行停車駅かどうかによっても、周辺駅との格差が大きく表れることが定量的にわかりました。今後、他の沿線についても同様の傾向があるかどうか、定量的な調査をしてみたいと思います。1991年三菱信託銀行(現・三菱UFJ信託銀行)入行。企業不動産・相続不動産コンサルティングなどを切り口に不動産売買・活用・ファイナンスなどの業務に17年間従事。その後独立し、「あゆみリアルティーサービス」を設立。不動産・相続コンサルティングを軸にした仲介サービスを提供。2014年11月から個人向け不動産コンサルティング・ホームインスペクションなどのサービスを提供する「さくら事務所」にも参画。

 

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治安が悪ければ安いんだよね

逆に、元々地価が高い(魅力がある)→急行が止まる(止まるようになる) ということは有り得ないでしょうか。例えば、南町田やあざみ野を中心に、時系列的に追ってみると、より深い考察になると思います。

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