XboxのゲーミングノートPC、そろそろあってもいいんじゃないかな

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  • author Sam Rutherford - Gizmodo US
  • [原文]
  • 福田ミホ
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XboxのゲーミングノートPC、そろそろあってもいいんじゃないかな
Image: Sam Rutherford/Andrew Liszewski - Gizmodo US

まだないのが不思議。

ゲーミングノートPCがよりどりみどりな昨今ですが、ゲーム機とノートPC両方作ってるのにゲーミングノートPCは作ってない、そんなユニークなポジションにあるのがMicrosoftです。米GizmodoのSam Rutherford記者が、XboxゲーミングノートPCの必然性について、妄想も含めつつ訴えてます。


Xbox Series S/Xのローンチにより、レイトレーシング対応、120Hzのリフレッシュレートなどなど、Microsoftはコンソールゲームの新時代に突入しました。一方でノートPCのSurfaceファミリーも着実に成長しています。それぞれの商品群を見るにつけ、そろそろXboxブランドのゲーミングノートPCが登場してもいいんじゃないかなー、と思ってしまいます。

…とか言うと、「Xbox=コンソールなんだYO!」と多方面から怒号が飛んで来るのがつねですが、そう結論を急がないでほしいんです。たしかにXboxという名前は2001年、ゲーム機として生まれたんですが、その後は徐々にデバイスを超えて、多様なコンテンツやハードウェア、サービスを展開してきました。たとえばXbox Play Anywhereでは、一本ゲームを買うと、Xbox用とPC用の2バージョンがプレイできます。

あとはXbox Game Passを使えば、月額料金を払うことで定期的に入れ替わるゲーム群がダウンロード可能になり、そのゲームはコンソールでもPCでも遊べます。さらにXbox Game Pass Ultimateなら、クラウドのサーバからタブレットやスマホにゲームをストリームできます。またXbox Remote Playを使えば、家で誰かにTVを使われてても、Xboxからスマホやタブレット、PCに対しローカルでゲームをストリームできます。

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Xbox ワイヤレスコントローラーをネイティブでサポートするXboxラップトップがもしできれば、MicrosoftのコントローラーはコンソールとPC両方のベストなコントローラーとしての地位をさらに強固にできます。Image: Sam Rutherford – Gizmodo US

周辺機器という意味でも、MicrosoftはこれまでXboxブランドのヘッドホンやコントローラーなど、PCアクセサリのサポートを拡大してきました。最近はXboxコントローラーがすごくポピュラーで、PCで使うワイヤレスコントローラーのほぼデフォルトになりつつあります。Xboxという名前は、コンソールという生い立ちをだいぶ前に超えてしまって、これからもその勢いは増すばかりです。

でも大事なのは、Microsoft自身がXboxブランドをゲーム機に限定していないことです。Xboxの責任者・フィル・スペンサー氏は、Xboxがいかに幅広いカテゴリ・デバイスにまたがるプラットフォームなのか、熱く語っていたこともあります。スペンサー氏はGuardianに対し「我々が目指す指標は、プレイヤーの数と、彼らがプレイする頻度です」と言い、さらにこう語りました。「ゲームをPCでプレイ可能にすることで、わざわざXbox Series Xを買う必要がなくなりました。これは非常に重要だと思っています。我々はプレイヤーの数字を公開します。目指すものはその数字であるべきで、プラスチックの箱を売った数ではありません。」

Xboxがやりたいのは、ユーザーのデバイスにかかわらず、Xboxの機能やゲームへのアクセスを提供することです。Xbox Series SとXのローンチが成功した今、いよいよXboxノートPCが正式に登場(一発ネタ的にXboxをケースに入れてみた、とかじゃなくて)となれば、Xboxプラットフォームの拡大にはベストな形になると思います。

SurfaceのゲーミングノートPCじゃだめ?

これはブランディングの問題で、何かが間違いってことはないんですが、MicrosoftがゲーミングノートPCを作るなら、SurfaceでやるよりXboxでやったほうが収まりが良いと思える理由がいくつかあります。

まずひとつはSurfaceブランド自体が、メインストリームなビジネス用またはコンテンツ制作用に作られたシステムであることです。Surfaceファミリーはどこにもゲーミングっぽさを醸してなくて、GPUが別立てになってるSurfaceの中で一番安いのはSurface Book 3なんですが、そのGPUはNvidia GTX 1650、価格は1700ドル(日本価格20万9980円〜)なので、ゲーミングノートPC買うなら他をあたったほうがだいぶマシです。同じことは15インチのSurface Book 3でも言えて、一番安くて2000ドル(日本価格29万2380円〜)、GPUは13インチのより若干速いとはいえNvidia1660 Tiです。Surface Laptop 4に至ってはゲームに十分なグラフィックスカードを搭載したモデルがないし、アーティストにとってはドリームマシンなSurface Studio 2でも、一番良いグラフィックスカードがNvidia GTX 1070です。

Surfaceの商品構成の中でゲーミングだけがぽっかり空いてるのは、戦略に穴があるように見えるかもしれません。でも一歩引いて考えれば、その穴の意味がわかってくるはずです。つまりSurfaceシリーズで一番大事なのはコアなコンピューティングニーズにフォーカスすること、そしてApple風味を加えて、今までMacを選んできたデジタルアーティストも取り込んでいくことなんです。

なのでSurfaceと一般的なゲーミングノートPCでは、物事の優先順位に大きな違いがあります。すべてのSurfaceはタッチスクリーン搭載で、ほとんどは手書きやスタイラスもサポートしています。これらは一般的にはナイスな機能ではあるものの、ゲーミングノートPCとしては重要じゃありません。スクリーンの種類も、Surfaceでは色のリッチさとか再現性を重視してますが、リフレッシュレートはそんなでもないです。正直もしMicrosoftがそこそこ高性能なSurfaceゲーミングラップトップを出したとしても、取って付けた感じは拭えないし、ゲーミングと無縁の人は引いてしまうかもしれません。

それに対しXboxであれば、それ自体がもはやコンソールだけでなく複数プラットフォームにまたがるゲーミングブランドなわけです。Microsoftは今まで、Windows 10にXbox Game Barみたいな機能を載せたり、PCやスマホからXbox上の友だちとチャットできる機能を入れたりすることで、Xboxブランドの世界を広げてきました。

でももっと大事なのは、新ゲーミングノートPCにXboxロゴを貼り付けることで、ゲーマーにとって重要な機能に注力できることです。つまり高リフレッシュレートのディスプレイや、よりパワフルなGPU、幅広いポートの搭載などです。Xboxのワイヤレスオーディオシグナルをネイティブサポートすることも可能で、そうすればXboxでもノートPCでも同じ高音質が楽しめます(Xbox ワイヤレスヘッドセットは、デフォルトではXboxに接続時はより高音質な信号を使ってるんですが、PCに接続するとBluetoothに切り替わってしまうので)。

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Xbox ワイヤレスヘッドセットはBluetoothしかサポートしてないので、高音質を求めるなら25ドル()のワイヤレスアダプタが必要です。でもXboxノートPCがXboxのワイヤレスプロトコルをネイティブサポートするなら、ドングルも不要です。(Image: Sam Rutherford – Gizmodo US)

そんなこんなで、Xboxと深く連携したゲーミングラップトップをMicrosoftが作る理由はたくさんあり、逆にまだ作ってないのが驚きなくらいです。

XboxゲーミングノートPCはどんなものになる?

XboxノートPCのデザインの方向性は無数にありえますが、システム的にはSurface Laptop 4Razer Blade 15またはMSI Stealth 15mのハイブリッドあたりが良さそうです。薄めの15インチ(ゲーミングノートPCではまだ15インチがポピュラー)でアルミかマグネシウムのボディに高リフレッシュレートのminiLEDまたは液晶ディスプレイ(プラスもしかしたらタッチサポート、でも必須ではない)、ポートはたくさん、Surfaceで使われてるのと同じキーボードを使いつつ、RGBバックライトでゲーマー風味をオン、といった具合です。SurfaceのAlcantara素材を使うかどうかはMicrosoft次第ですが、素敵なマイクロファイバーにDoritosの粉とかマウンテンデューが染み込んでいきそうなのが心配です。

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僕自身ができるデザインといったらこんな程度です。(Image: Sam Rutherford – Gizmodo US)

Surface Laptop 4の大きめモデル(15インチ)の筐体をちょっと厚めにして、ディスクリートGPUと冷却システムが入る空間を作るって感じでもいいですね。今までなんとなくRazerがゲーミングノートPCといえば黒とグリーン、というイメージにしてきましたが、Microsoftなら今のXbox Series S/Xの黒と白のツートンデザインが合ってそうです。

Xboxとのシナジーを実現するなら、XboxノートPCもHDMI 2.1対応かつリフレッシュレートは120Hz(または240Hzまで行っても)にして、Xbox Series Xのヌルヌル体験を再現してほしいです。CPU・GPUはIntelでもAMD、Nvidiaでも最新のものにして、セルラーやWi-Fiの電波状態が悪くてもAAAタイトルを比較的高い設定でプレイできたらうれしいですね。

Xbox ワイヤレスコントローラーやXbox ワイヤレスヘッドセットのワイヤレス信号をネイティブでサポートするなら、このへんのアクセサリを100ドル(約1万1000円、通常価格は160ドル≒1万7000円)あたりでバンドルしてくれればと思います。あとはXbox Seriesと同じようにXbox All Accessプログラムに取り込んで、Xbox Game Pass Ultimateの24カ月パスとパッケージにするのも可能なはずです。そうすれば、最初に大きな金額を払わなくてもすぐにXboxノートPCが手に入ります。

欲を言えば、Xbox Seriesと同じストレージ拡張カードをサポートするスロットを搭載してたらもっとうれしいです。XboxコンソールとノートPCの両方で同じカードを入れ替えて使うことができたり…なんて欲張りすぎかもしれませんが、妄想が止まらなくて。

ともあれ、SurfaceにしろXboxにしろ、Microsoftのガジェットラインアップ全体を見てみると、ノートPCありハイブリッドありタブレットあり巨大タッチディスプレイありゲームコンソールあり、Surface Duoでスマホもありと、まだゲーミングノートPCが存在してないのがおかしいくらいです。Microsoftのゲーミング部門が拡大を続けてる今、新しいゲーミングノートPCにXboxロゴを貼り付けつつXboxのDNAも植え付けるのは、ほんとに自然な流れだと思います。

XboxブランドのゲーミングPC ほしい?

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