福岡は時短要請を県内全域に拡大、朝営業に活路見いだす居酒屋も

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朝食を提供する居酒屋のスタッフ(奥)(6日午前9時4分、福岡市中央区で)=木佐貫冬星撮影
朝食を提供する居酒屋のスタッフ(奥)(6日午前9時4分、福岡市中央区で)=木佐貫冬星撮影

 大型連休明けの6日、新型コロナウイルスの感染拡大で政府に「まん延防止等重点措置」の適用を要請している福岡県は、飲食店への独自の営業時間短縮の要請を県内全域に広げた。映画館など集客施設にも協力を呼びかけた。厳しい経営を強いられる事業者からは苦痛の声が上がる一方、居酒屋が朝営業に活路を見いだす様子もみられた。

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■第1波以来の要請

 福岡県は政府の適用決定を前に、独自に対策を前倒しした。飲食店は感染状況が深刻な福岡、久留米両市で午後8時までに1時間早め、それ以外の地域は午後9時までとした。集客施設は1000平方メートル以上の大型商業施設や遊興施設などで、地域と時間は飲食店と同内容。期間はいずれも19日まで。集客施設の営業時間に関わる対策は、昨春の「第1波」の際の休業要請に続いて2回目となる。

 福岡市博多区の「福岡中洲大洋映画劇場」は、県の発表を受けて連休中に対応を検討。6日はすでに午後8時以降のレイトショーの上映が決定しており、7日から時短要請に応じるという。劇場の担当者は「最近お客さんが戻って順調だったのに」と残念がった。

 福岡市のJR博多駅ビルを運営するJR博多シティは6日から当面、専門店街「アミュプラザ博多」などの飲食フロアの閉店時間を一部を除き午後8時に繰り上げる。大型複合商業施設「キャナルシティ博多」も、多くの店舗が営業時間を午後8時までに短縮する。

■「夜よりお得」

 福岡市中央区春吉の居酒屋「魚ト肴いとおかし」は、時短対策として1月から朝食の提供を始めた。連休明けの6日は早朝から多くの客でにぎわい、カウンターではサラリーマンらが朝定食(1000円)などをかき込んでいた。福岡市の自営業男性は「夜よりお得感があり、早起きしてでも来たい」。統括マネジャー吉見健太さん(32)は「連休明けで客足は読めなかったが、大勢来てもらえた」と手応えを語る。

 第1波のさなかの昨年5月にオープン。今年1月の緊急事態宣言の際、「新しいことを始めよう」と朝食を出すことにした。ただ、6日からは時短要請が前倒しされ、吉見さんは「夜営業の1時間は大きい。行政は早く日常を取り戻す対策を取ってほしい」と訴えた。

 福岡市の西鉄福岡(天神)駅では6日早朝、マスク姿の通勤客らが続々と降り立ち、職場へと向かった。福岡市の会社員の男性(61)は「最近は座席に座れないことが増えた」と話す。政府はテレワークを推奨しているが、同市の会社員女性(60歳代)は「個人情報を扱っているので導入は難しい」と語った。

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