ヤクルトの新たなエース候補に名乗りを上げた。金久保優斗投手(21)が、4月30日のDeNA戦(横浜)で6回を投げて、5安打無失点でプロ2勝目。チームの連敗ストップに貢献した。今季は4試合に先発して、チームトップタイの2勝。21回1/3を投げて防御率2・11と安定した結果を残している。「一番の武器は真っすぐ」と断言するように、150キロ超える直球を連発させて空振りを取る投球スタイル。プロ1年目でトミー・ジョン手術を受けた4年目の開花は間近に迫る。

兆しは1軍浦添キャンプでのブルペンから見えていた。伊藤投手コーチは「打者を打ち取るイメージをしながら投げているのは金久保」と話していた。若手投手たちは、アピールのため自分の納得する球を投げようとしがち。しかし、金久保の脳内では常に打者と対戦していた。そんなブルペンを、伊藤投手コーチは「意図が見える」と評価した。

高い意識で練習を重ねて、4月14日DeNA戦でプロ初勝利を挙げたばかりの21歳。打ち取るイメージを描くため、常に考える。練習中でのキャッチボール相手の田口にはカーブの投げ方を聞く場面もあった。直球の他にスライダーとフォークが主な球種。投球の幅を広げるため、先輩に助言を求めた。まだまだ成長過程。今年を躍進の1年にする。「ローテーションの役目を果たせるように、1勝1勝積み重ねたい」と意気込んだ。ドラフト同期の同学年には村上がいる。不動の主砲に成長した同学年に「僕もついていきたい」。不動のエースには金久保がなる。【ヤクルト担当=湯本勝大】

DeNA戦で力投するヤクルト金久保(2021年4月30日)
DeNA戦で力投するヤクルト金久保(2021年4月30日)