タレント麻木久仁子(58)が今月末から、鍼灸(しんきゅう)師や薬剤師などの会員で構成される一般社団法人日本温活協会とともに「温活薬膳料理士講座」をスタートさせる。講座を始めるにあたり、このほど医薬品の登録販売者の試験に合格し、東京都に登録した。

「これでドラッグストアでもアルバイトができます」と笑うが、20年度の都の合格率は33・0%と難関の試験だ。薬膳の教室を行っていると漢方薬の質問を受けることも多く、資格がないとアドバイスもできないため取得。コロナ禍で時間もあり、根っからの勉強好きも幸いした。テキストを購入し、10年分の過去問題を解いたという。「単語カードも作ったり、娘に問題を出してもらったり」。3カ月あまりの受験勉強の末に合格した。

そもそも麻木が薬膳の世界に入ったのは自身の病気がきっかけ。10年に脳梗塞を発症し、12年には初期の乳がんで手術も受けた。「運動は得意ではないので食事を見直してみようと調べるうちに薬膳を見つけました。東洋医学ってスピリチュアルなイメージがあったんですが、座学を聞くと論理的だった。理屈っぽいのが好きなのではまりました。食べてはいけないものがないのもよかった」。16年に国際薬膳師、19年には国際中医師の資格を取得。病気にならない身体づくりを行う日本温活協会に共感し、20年には温活士、温活指導士の資格も取得した。

日本で東洋医学の資格は鍼灸(しんきゅう)師など限られている。鍼灸師が食事のアドバイスまですることは少ないという。「今はスポーツ医学でも食生活のアドバイスをしますよね。冷え性の人が身体を温めるはりをうったのに、その帰りにアイスクリームを食べたら意味が薄れるじゃないですか。漢方医師、薬局、鍼灸師と連携して、食事の面でもサポートできれば。東洋医学の素晴らしさを伝えられればと思っています」。【竹村章】

◆温活指導士・麻木久仁子の「温活薬膳料理士講座」 鍼灸師や薬剤師、エステティシャンなどの会員で構成される一般社団法人・日本温活協会が5月26日より開始。カリキュラムは3カ月間、DVDで学ぶ通信講座形式。修了後には試験を実施し、合格者には「温活薬膳料理士」の資格を授与する。

◆登録販売者 09年施行の改正薬事法により、一般医薬品を販売できる資格として誕生した。都道府県が行う試験に合格後に登録すれば取得できる。試験は筆記試験のみで、学歴や年齢などの受験資格はなく、誰でも受験可能。販売できる医薬品は一般用医薬品(市販薬)のうち、第2類医薬品と第3類医薬品。日本で扱われる一般用医薬品の約9割は第2類と第3類。