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全日本空輸(ANA)を傘下に持つANAホールディングス(HD)は26日、2050年度までに航空機の運航による二酸化炭素(CO2)の排出を実質ゼロとする目標を発表した。日本航空(JAL)も50年までに実質ゼロとする目標を掲げており、国内航空大手2社がそろって脱炭素化を加速させる。
ANAHDは19年度に、過去最多となる約1200万トンのCO2を排出した。これまでは50年に05年に比べて排出量を半減させることを目指してきたが、一気に引き上げる。CO2排出量を大幅に削減できる新たな航空機用燃料「SAF」や排出権取引などを活用する。
SAFは、食用油や一般ごみなどを原料に生産される。CO2排出量は少ないが、量産体制が整っていないため、価格は一般的なジェット燃料よりも割高だ。ANAHDは、空港などでの備蓄体制の整備や、SAF生産を目指す企業との連携などに取り組む。
一方、JALは5月に公表する中期経営計画で、目標実現に向けた具体策を打ち出す考えだ。温暖化対策の観点から、CO2排出量の多い航空機には厳しい目が向けられており、世界の航空大手が対応を迫られている。