露全国デモで1700人超拘束 ナワリヌイ氏釈放求め 政権側、強硬姿勢鮮明に

21日、モスクワ中心部に集まるロシア反体制派ナワリヌイ氏の支持者ら(タス=共同)
21日、モスクワ中心部に集まるロシア反体制派ナワリヌイ氏の支持者ら(タス=共同)

 【モスクワ=小野田雄一】収監中のロシアの反体制派指導者、ナワリヌイ氏の釈放を求めるデモが21日、露全国の都市で行われた。同氏の釈放を求めるデモは3カ月ぶり。政権側は無許可の違法デモだとして拘束活動に乗り出し、ロシアの人権監視団体「OVDインフォ」によると、22日日未明(日本時間、同日早朝)までに約90の都市で参加者1700人以上が拘束された。

 モスクワ中心部で行われたデモでは、多数の市民が「ナワリヌイを解放せよ」「ロシアに自由を!」などとシュプレヒコールを上げた。全体の参加者数は不明だが、少なくとも数万人規模に上ったとみられる。

 デモはナワリヌイ氏の健康状態が刑務所内で悪化したことを受け、支援団体が呼びかけた。一方、政権側はデモに先立ち、同団体を、テロ組織と同義であらゆる活動が摘発対象となる「過激主義団体」に指定する法的手続きを開始。同時に、団体事務所の家宅捜索を行った。この日のデモでも多数の参加者を拘束し、譲歩しない姿勢を改めて示した。

 ナワリヌイ氏の拘束を受けて1月23日と31日に露全国で行われたデモでは、両日とも計10万人以上が参加し、拘束者数もそれぞれ4千~6千人規模に上った。

 今回のデモが1月よりも小規模化した背景には、その後の裁判で同氏の収監が確定したことや政権側からの圧力が強まっていることに加え、参加者内に「デモをしても何も変わらない」といった徒労感が強まっていることもあるとみられる。

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