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2016年4月の熊本地震で大きく損壊した熊本県南阿蘇村の「旧東海大阿蘇キャンパス」の一部について、県や東海大、村の畜産会社などは12日、県特産の肉牛「あか牛」を繁殖させ、飼育研究や食品開発・販売機能も備えた農場として活用する構想を発表した。26年度の稼働を目指す。蒲島郁夫知事は「創造的復興の総仕上げの一つと位置づけ、県も積極的に支援したい」としている。
「ザ・ファーム阿蘇」構想と名付け、村の「くまもと阿蘇県民牧場」(石原靖也社長)が計画。東海大農学部があったキャンパス用地約82ヘクタールのうち、南側の約30ヘクタールに畜舎や放牧場を整備。同大と連携し、ICT(情報通信技術)を活用した飼育研究なども進める。
今年度は県が1000万円を支援し、構想の基本計画を策定する。
吉良清一村長は県庁での記者会見で「村にとって大変明るい材料」と期待した。キャンパスの残りの用地は、被災した校舎などを見学できる「震災ミュージアム」や、同大農学部の実習農場として使われている。