来春卒業の大学生の就職活動 本格化 きょうから企業説明会

来年春に卒業する大学生の就職活動は、企業による学生への説明会が1日から始まり、本格化します。就職情報会社の調査では採用の見込みは去年と同じ水準だという企業がおよそ60%に上っています。

来年春に卒業する今の大学3年生の就職活動は、政府が決めたルールで、企業による学生への説明会が1日から始まります。

去年は新型コロナウイルスの影響で合同企業説明会が相次いで中止されましたが、ことしは感染防止の対策を徹底したうえで対面やWEB上での説明会が各地で開かれる予定です。

1日は、就職情報大手の「リクルートキャリア」が学生の人数を制限したうえで千葉市や新潟県などで合同企業説明会を開くほか、「マイナビ」が540社が参加する大規模な説明会をWEB上で開催します。

就職情報会社「ディスコ」がことし1月下旬から2月上旬にかけて全国の企業1100社余りから回答を得た調査では、大学生の採用見込みを去年と比べると、
▽「増減なし」が60.1%、
▽「増加する」が15.6%、
▽「減少する」が12.9%となりました。

「ディスコ」は「新型コロナウイルスの影響で採用を中止したり減らしたりする動きがあるが、全体的には企業の採用意欲は維持され採用見込みは去年と同じ水準となった。採用活動にWEBを活用する動きがさらに広がり、学生の人数よりも質を重視して採用したいという企業が増える傾向にある」としています。

採用は多様化 学生はみずから情報収集を

来年春に卒業する予定の大学生の就職活動のスケジュールは、
▽企業による学生への説明会の開始が3月1日以降、
▽採用面接の開始が6月1日以降、
▽正式な内定日が10月1日以降となっています。

ただ、政府が決めたスケジュールと実際の採用活動の時期は異なっているのが実態です。

人材サービス会社の「リクルートキャリア」が去年12月からことし1月にかけて全国の企業およそ1400社から回答を得た調査では、ことし5月までに対面やWEB上で採用活動を開始する予定だという企業がおよそ6割に上ったほか内々定や内定を出す予定だという企業も5割以上だったということです。

リクルートキャリア就職みらい研究所の増本全 所長は企業の業種によって違いがあるとしたうえで、「新卒採用は先々への投資という面もあり、新型コロナウイルスの影響が続くいまであれば、逆に、いい人材を採用できると考える企業もあり採用数を維持しようとするケースが多い」と指摘しています。

そのうえで「企業によって採用のスケジュールややり方が多様化しているので学生が情報をみずからとりにいくことがより求められる。オンライン化が進み、今まで以上に選考活動にアクセスしやすくなっているので孤立せず周囲を頼りながら情報収集に努めてほしい」としています。