藤野英人さんらとThink! ニュースが分かるミニ解説
日経電子版「Think!」は、各界のエキスパートが注目ニュースにひとこと解説を投稿する機能です。2月19~26日のニュースでは、レオス・キャピタルワークス会長兼社長・最高投資責任者の藤野英人さんが「首相長男らによる接待問題」を読み解きました。このほか「米連邦準備理事会(FRB)の金融政策」「ワクチン接種管理システム開発」といったテーマの記事に投稿が寄せられました。(投稿の引用部分はエキスパートの原文のままです)
「首相長男らによる接待問題」関連ニュースをThink!
【藤野英人さんの投稿】 接待の金額の大小はもちろん大事かもしれないけど、でもファミレスでおごられようがそれで官僚の意思決定が変更されたらそれはそれで問題ではないか。首相動向がディスクローズされているように、課長以上の夜の自腹以外の面談は金額の多寡に関わらず開示すればよい。首相が開示されてるくらいだから。それで接待費は極論だがそれこそひとり10万円くらいまで認めてもいいかもしれない。そうなれば大事な話は日中の間にして、夜はなるべく控えるか情報交換が中心になって健全だ。
菅義偉首相の長男らによる総務省幹部への接待問題で、総務審議官時代に接待を受けた山田真貴子内閣広報官が25日午前、衆院予算委員会に出席した。「公務員の信用を損なったことを深く反省する。申し訳なかった」と陳謝した。
【中室牧子さんの投稿】 信頼回復のための「謝罪」について行われた研究がある(Abeler, Calaki, Andree, & Basek, 2010)。ドイツでネット通販で購入した賞品に対して低評価を付けた約600人の顧客に対して、きちんとお詫びのメールを送るのと、お詫びはしないが2.5ユーロ(=300円程度)またはの5ユーロ(=600円)の金銭を支払うケースのどれが低評価を取り下げてもらいやすいかを調べた。平均的な取引額は23ユーロだから、5ユーロはかなり大きな金額である。それにもかかわらず、評価の取り下げが一番多かったのは、お詫びのメールを受け取ったグループだった。誠実な謝罪こそが信頼回復への近道か。
「FRBの金融政策」関連ニュースをThink!
【中空麻奈さんの投稿】 中央銀行が経済の中心になって久しい。次の最大の関心事は、合理的バブルを後押しした金融政策と財政政策について、いつ「正常化」できるのか。だが、パウエルFRBはマーケットと対話をする、と宣言し、イエレンはガンガンお金を出す、という。株価だけを見てそろそろ怖い、と思っても、金融政策と財政政策へのど真ん中の意思を確認できた以上、当面合理的バブルは続く、と考えるのが自然なのではないか。
「ワクチン接種管理システム開発」関連ニュースをThink!
政府は新型コロナウイルスワクチンの接種管理に向けた新たなシステムの開発・運用について、IT関連スタートアップのミラボ(東京・千代田)と17日付で随意契約を結んだ。
【小島武仁さんの投稿】 ワクチン情報は大事ですね。短い期間で仕組みを整備する必要がある自治体や政府、そしてもちろんここにあるような民間企業の皆様の努力には頭が下がります。
この記事を見る限りこの件では扱っていないのかな?と思いますが、ワクチンの予約管理もデジタルによる一括管理、情報公開の便益が大きそうな分野だと思います。この件については手前味噌ですが東大マーケットデザインセンターで公開しているブリティッシュコロンビア大学助教授、野田俊也氏の考察をご覧ください:
https://www.mdc.e.u-tokyo.ac.jp/overview/disaster-relief/covid-19-vaccine/
【投稿まとめ読み】
https://r.nikkei.com/topics/topic_expert_EVP00000
【エキスパート一覧】
https://www.nikkei.com/think-all-experts
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