国内女子ゴルフで01年度生まれの新世紀世代・山下美夢有(みゆう、19=加賀電子)が古典的トレーニングと、レジェンドの金言でブレークを狙う。19年プロテストで笹生優花、西郷真央とともに“高校生合格”を果たし、実質プロ1年目の昨年はツアー出場13戦で2度のトップ10入り。オフには現役プロで最も低い150センチの体を鍛え、中嶋常幸の言葉を胸に、3月4日開幕の21年初戦ダイキンオーキッド・レディース(沖縄・琉球GC)を迎える。

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山下のスイングが安定感を増した。お尻から太ももは筋肉で張り詰め、体重は1年前の52キロからMAX58キロへ。「もうちょっと下半身に筋肉をつけたい。体幹を強くしたい」と喜んだ。

昨年12月のJLPGA新人戦後から約1カ月半、体力強化に徹した。昨年は予選通過した9戦中6戦の最終ラウンドでオーバーパー。「体力が落ちてると感じた」。大阪・寝屋川市の自宅近くの深北緑地で走った。約50メートルの坂道ダッシュを1日10本、30分間走。高さ約50センチの段差をジャンプで乗り降りする。すべて、両足首に2キロのベルトを巻いてこなした。ジムに行かず、専属トレーナーもいない。「父(勝臣さん)が“ええ訓練なるんちゃうか”と。だいぶしんどいです」。科学的? でなく“昭和の鍛錬”がお好みの19歳だ。

1月末、栃木に出向き、中嶋常幸の下で4日間を過ごした。最終日にスコアを落とす悩みを一蹴された。「スコアは“気にしない”と思っても絶対気になる。その重圧に向き合わず単純にラウンドしてたら、伸ばすイメージも出ない」-。

20-21年シーズンの続く今年の目標は、賞金シード奪取。「中嶋さんの話を聞いて気持ちが変わったと思ってます。パット、ショートゲームがうまくいけば」。現在53位の賞金ランクを50位内へ、その先にツアー初優勝があれば申し分ない。同じ新世紀世代の笹生は昨年ツアー2勝、西郷は19年日本女子アマ優勝。実績で劣っても焦らず、古風に力を蓄える。【加藤裕一】

◆山下美夢有(やました・みゆう) 2001年(平13)8月2日、大阪・寝屋川市生まれ。ゴルフは5歳から。19年プロテスト6位合格で大阪桐蔭出身初の女子プロに。ドライバー飛距離230ヤード。得意クラブはパター。憧れはタイガー・ウッズ。好きなアーティストはC&K。好みの男性タイプは俳優の志尊淳、野村周平、格闘家の江川優生、那須川天心。家族は両親、弟、妹。150センチ、58キロ。