185系の備品紛失相次ぐ 旧国鉄車両、盗難か

来年3月のダイヤ改正で特急「踊り子」の定期列車から運用を終える旧国鉄時代製造の車両「185系」=10月27日、東京都港区
来年3月のダイヤ改正で特急「踊り子」の定期列車から運用を終える旧国鉄時代製造の車両「185系」=10月27日、東京都港区

 東京駅と静岡県・伊豆半島を結ぶ特急「踊り子」などで使われ、近く引退する旧国鉄時代の車両「185系」で、行き先表示幕などの備品の紛失が相次いでいることが25日、JR東日本への取材で分かった。業務中になくすことは考えづらく、盗まれた疑いがあるとして、JR東は警察に被害届を提出した。「もし盗難なら、悲しく残念だ」としている。

 JR東によると、昨年末以降、185系の車両側面にある行き先表示幕や、号車札といった備品の紛失が判明した。同社は「警察の捜査を妨げないようにする」として詳細を明らかにしていない。ただ、駅や車両基地に停車中の列車から収集や転売目的で備品が盗まれる事例は後を絶たないとしている。

 185系は昭和56年に投入され、廃止になった夜行列車「ムーンライトながら」(東京-岐阜・大垣)など幅広く使われてきた。現在は東海道線で特急「踊り子」や通勤列車「湘南ライナー」として運行。3月13日のダイヤ改正で定期列車としての運用を終える。その後は臨時列車として走る予定。鉄道ファンの間で人気があり、JR東が引退を記念して特別なウェブサイトの開設やグッズ販売をしている。

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