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「団結は愚かな幻想」か バイデン政権、波乱の幕開け

試練のバイデン政権(1)

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「噓つきの(前大統領ドナルド・)トランプからやっと解放される」。米中西部イリノイ州シカゴ郊外の住宅街。ジョー・バイデンの大統領就任式が開かれた20日昼、英語教師のモリーン・ブリッジはシャンパンで祝杯をあげた。手には就任式を計画・実行する大統領就任委員会からわざわざ購入した特製の記念グラスがあった。

「試練を乗り越えて未来を確かなものにするには、団結が必要だ」。就任式で繰り返しこう訴えたバイデン。ただ、その行く手には厳しい現実がある。

20日、副大統領に就任したカマラ・ハリスが育ったカリフォルニア州バークレー。「国を転覆させようとしたトランプ支持者なんかと団結したくない」。就任式に合わせ、ハリスが卒業した小学校を訪れたエリザベス・バーンスタインはこう吐き捨てた。

同じ頃、ワシントン。閑古鳥の鳴く露店で就任式の記念グッズを売っていた黒人男性のラウーフは「大統領選では不正があった。自分でも調べる」と大統領選の結果に不満をあらわにした。ラウーフは陰謀論信者「Qアノン」のような過激派というわけではない。それでもトランプの主張に強く賛同し、米連邦議会議事堂占拠事件を経てもトランプへの支持は揺るがない。

トランプがホワイトハウスから去っても、トランプ主義者と反トランプ主義者の対立が米国からただちに消えるわけではない。米CNNによると、共和党支持者の75%がバイデンの勝利は合法的ではなかったと考えている。民主党支持層は1%にすぎない。「団結の話をするのは愚かな幻想に聞こえるのは分かっている」。演説で団結の重要性を繰り返し訴えたバイデン自身もこう認める。

バイデンが分断修復のために、最優先で取り組むのは新型コロナウイルスの感染収束や失業問題など山積する政策課題の実現だ。マスク着用の義務化やイスラム圏からの入国規制の撤回――。ホワイトハウス入りしたバイデンはさっそくトランプが打ち出した政策を塗り替える約30本の大統領令に次々に署名した。

メディアや有権者が新大統領への批判を控えるハネムーン期間と呼ばれるのは政権発足から100日間だ。ハネムーン後を見据えると早い段階で政権交代の成功をアピールする結果が欠かせない。この約70年では最多のペースで大統領令を打ち出すバイデンはそのための障害をできるだけ除去したいのが本音だ。

政権発足初日に議会上院が承認した閣僚は1人にとどまり、この約30年で最も少ない。トランプの上院での弾劾裁判が始まれば共和党との対立は一段と深まる。「今は国家の非常事態だ。政権を立ち上げる時間が要る」。22日午後、バイデンはホワイトハウスでこう語り、弾劾裁判は優先課題ではないとの認識をにじませた。民主党が裁判開始を2月に遅らせると発表したのは、この数時間後だった。

上院は多くのケースで法案可決の事実上の条件を賛成60票とする。上院の民主党議席は50議席。事実上の上院多数派を奪還したとはいえ、民主党は共和党と協力できなければ、1.9兆ドル(約200兆円)にのぼる新型コロナ対策をはじめバイデンが目玉とする政策の早期実現がおぼつかない。

バイデンがめざすのは政策の大転換の早期実現だけではない。「キミたちが他人に無礼な態度で接するようなことがあれば、ただちにクビにする」。20日夕、バイデンはホワイトハウスのスタッフとの初のテレビ会議でこう宣言し、他者との協調の重要性を説いた。

トランプは専制君主のように部下に自身への忠誠心を競わせた。その結果、ホワイトハウスはスタッフの内輪もめが絶えず、前政権が事実上の機能不全に近づく一因となった。

「混沌ではなく秩序が要る」。バイデンは元大統領、バラク・オバマ時代のホワイトハウスの姿を知る。バイデンは政権運営のあり方そのものを、混沌のトランプ流から脱却させ、米国から失われた秩序を取り戻そうと腐心している。

異端の大統領だったトランプがホワイトハウスを去り、国民に団結と融和を訴えるバイデン政権が船出した。未曽有の危機下の政権始動となったバイデンは分断の米国を変えていけるのか。(敬称略)

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