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悲願の埼玉県出身力士初優勝に王手――大相撲の初場所は23日に東京・両国国技館で14日目が行われ、西前頭筆頭で朝霞市出身の大栄翔関(追手風部屋=本名・高西勇人)(27)は同4枚目の玉鷲関にはたき込みで勝ち、12勝2敗で単独首位に立った。24日の千秋楽で勝てば、1909年(明治42年)に優勝制度が導入され、113年目で快挙達成となる。
大栄翔関はこの日の取組でも、勢いのある突き押しで玉鷲関を攻め立てた。相手が反撃しようと前に出たところで、はたき込みで勝利。今場所の好調ぶりがよく表れた内容で、優勝の懸かる千秋楽の土俵へ向かうことになった。
中学校時代の県選抜メンバーに入っていた時、大栄翔関を指導した入間少年相撲クラブ総監督の西沢正夫さん(58)は、勝ち越しを決めた17日に電話で報告を受けた。その際、4年前に横綱昇進した直後の稀勢の里関(現荒磯親方)から巡業で連日指名を受け、倒されながらも胸を借り続けたことの成果について話をしたという。西沢さんは「毎日20番くらい稽古をつけてもらい、その成果が今になって表れ、当時より押す力が強くなった。今場所の戦いを見ても、自分の相撲を信じ切っているようだ」と躍進の背景を語る。
悲願の初優勝まであと1勝となったが、「今場所の相撲は勝ちに行くのではなく、自分の努力の発表のような戦いをしている。その相撲を最後まで取り切ってほしい」と、最後まで平常心で戦うことを願った。