首相、米への「打撃力依存」変更考えない

参院本会議で答弁する菅義偉首相=22日午後、国会(春名中撮影)
参院本会議で答弁する菅義偉首相=22日午後、国会(春名中撮影)

 菅義偉首相は22日の参院本会議で、敵領土への攻撃能力を含む「打撃力」について「米国に依存しており、今後ともこうした日米間の基本的な役割分担を変更することは考えていない」と述べた。政府は昨年末に敵基地攻撃能力に関する結論を無期限延期とする閣議決定を行ったが、首相が打撃力を否定したのは初めて。日本維新の会の片山虎之助共同代表の質問に答えた。

 ただ、首相は日米同盟を強化する意向を表明。「日本が果たし得る役割はこれまで以上に拡大していくことが必要だ」とも述べた。

 敵基地攻撃能力に関して安倍晋三前首相は昨年9月、昨年内に結論を出すとの談話を発表。退任後の11月に「打撃力について検討するという談話を発表した」と説明した。打撃力として、北朝鮮から攻撃を受けた際に米軍と報復攻撃を行うことを例示し、これができなければ「日米同盟は終わる可能性がある」と述べた。

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