イトーヨーカ堂、群馬県から撤退 2月に伊勢崎店閉店
イトーヨーカ堂は2月21日、伊勢崎店(群馬県伊勢崎市)を閉店する。店舗網の見直しによるもので、北関東では同月23日に小山店(栃木県小山市)も閉店する。同社はかつて群馬県内に3店を展開していたが、伊勢崎店の閉店で同県から撤退することになる。
伊勢崎店はJR伊勢崎駅から南西へ約1.5キロメートルの場所にあり1995年にオープンした。4階建てで売り場は1~2階(総売り場面積は約1万2400平方メートル)。閉店理由について、イトーヨーカ堂を傘下に持つセブン&アイ・ホールディングスは「地域のお客様のニーズに対応できなくなったため」(広報担当者)と話す。店舗跡地の今後については未定としている。
イトーヨーカ堂は70年代に群馬県に進出。かつては藤岡店(藤岡市)や前橋店(前橋市)も展開していた。2010年にJR前橋駅前の前橋店を閉店し、17年には藤岡店も閉店した。前橋店が入居していた建物は書店「ツタヤブックストア」などが入居する複合施設「アクエル前橋」に改装され、20年12月にグランドオープンした。
イトーヨーカ堂は2月中に伊勢崎店や小山店のほか、田無店(東京都西東京市)と平店(福島県いわき市)も閉店する。北関東における同社の店舗は日立店(茨城県日立市)と竜ケ崎店(同県龍ケ崎市)、宇都宮店(宇都宮市)の計3店になる。
全国スーパーマーケット協会(東京・千代田)によると、群馬県におけるスーパーの店舗数は20年末現在で279店。7年間で4%増えている。県内では、アウトドア衣料品のワークマンなどをグループに抱え、コスト競争力に強みを持つ地場スーパーのベイシア(前橋市)が40店以上を展開している。昨年11月には長野県を地盤とするツルヤ(同県小諸市)が群馬へ進出し、今後も同県内で店舗を増やす方針。コロナ禍で景気が冷え込むなかでも出店が続き、競争が激化している。