今季国内フリーエージェント(FA)権を取得した西武増田達至投手(32)が残留することが11月30日、濃厚となった。

複数の球団関係者の話を総合すると、権利を行使する意思を固めた。獲得調査に乗り出す球団はあったが、最大4年総額12億円超えの大型契約を提示している西武と、この日までに複数回交渉。FA権を行使した上で残留する可能性が極めて高い状況となった。

今季は自己最多33セーブ、防御率2・02の成績を挙げ、最優秀救援投手の個人タイトルを獲得。去就が注目される中、権利行使について熟考を重ねてきた。西武は成績だけでなく、練習にも試合にも真摯(しんし)に取り組む姿勢も高く評価。守護神の全力慰留へ、FA交渉では球団最長となる4年の大型契約を提示した。宣言残留を認められていることもあり、交渉が順調に進めば権利行使をした上での残留が濃厚だ。

周囲のサポートを受け取得できた権利だからこそ、真剣に考え続けていた。取得の際には「ここまで起用してくださった監督、コーチ、目に見えないところで支えてくれている関係者の方々そして応援していただいているファンの皆さまのためにも、この未曽有のシーズンを何とか乗り切っていきたいという思いです」と、まず感謝の気持ちを口にした。心優しき頼れる守護神。秋季練習最後の参加となった11月22日には、FAについて「タイミングが来れば、話したいと思います」と話していたが、近日中にも表明する見込み。来季リーグV奪還に挑む西武にとって、残留が今オフ最大の補強となる。