阿比留瑠比の極言御免

慰安婦訴訟 最高裁判決の意義

元朝日新聞記者の植村隆氏
元朝日新聞記者の植村隆氏

 新聞各社の記事の扱いは本紙を含めてごく小さかったが、長年にわたり日本の歴史認識をゆがめてきた朝日新聞の慰安婦報道の作為的過誤が、司法によって認定された意義は大きい。

 元朝日新聞記者の植村隆氏は平成27年2月、百数十人の大弁護団を擁し、慰安婦について書いた記事を「捏造(ねつぞう)」と指摘されて名誉を傷つけられたと主張し、ジャーナリストの櫻井よしこ氏と出版社3社に損害賠償などを求める訴訟を起こした。そして最高裁第2小法廷は18日付で、植村氏の上告を退ける決定をし、請求を棄却した1、2審判決が確定したのである。

 朝日は20日付朝刊で「元朝日記者の敗訴が確定 慰安婦報道訴訟」とのベタ記事を掲載した。だが、慰安婦を強制連行したと虚偽証言をした吉田清治氏をめぐる一連の記事と並び、朝日の慰安婦報道を象徴する植村氏の記事に関する重大な判決なのだから、もっと正面から受け止め反省を示すべきではないか。