感染急増地域と往来自粛 コロナ分科会が提言
政府の新型コロナウイルス感染症対策分科会は25日、感染対策が徹底できない場合は感染状況が2番目に深刻な「ステージ3」に相当する地域との往来を今後3週間、自粛するよう求める提言をまとめた。政府の観光需要喚起策「Go To トラベル」で感染が拡大する地域からの出発分も一時停止の検討を要請した。
西村康稔経済財政・再生相は分科会後の記者会見で「感染が抑えられるか大事な3週間になる」と指摘。その上で、今後3週間で感染増加を抑えられなければ「緊急事態宣言が視野に入ってくる」と危機感を示した。
どの地域がステージ3に当たるかの最終判断は自治体に委ねられているが、分科会の尾身茂会長は相当する地域として札幌市、東京23区、名古屋市、大阪市を例示した。西村氏はステージ3相当になっているのに必要な対策が取られていない地域があるとし「知事と連携して対応していく」と述べた。
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厚生労働省が20日に公表した各都道府県の感染状況を示す指標によると、北海道、東京、大阪は6指標中5指標、愛知は3指標がステージ3以上の水準だった。北海道は療養者数と新規感染者数の2指標は最も深刻な「ステージ4」に達した。
このほか、分科会は現在の感染状況が続いた場合、遠くない時期に通常の医療で助けられる命を助けられなくなる事態に陥りかねないと指摘。対策として、感染急増地域との往来自粛に加え、酒類を提供する飲食店の営業時間短縮や外食需要喚起策「Go To イート」の運用見直し、イベント開催制限の変更の検討などを挙げた。
「Go To トラベル」事業については、感染拡大地域から出発する旅行も一時停止を検討するよう要請。尾身氏は「入る方も出る方も一緒にやることが感染対策上は最も有効だ」と話した。
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