乗り物

飛行機内に存在する隠された休憩室「クルーレスト」はどういう構造になっているのか?


国際線のフライトはときに1日以上にわたる場合もあるため、機内で働く客室乗務員や交代で飛行機を操縦するパイロットも機内で休憩を取る必要があります。客室乗務員やパイロットが客の存在から離れて休憩を取ることができるように、国際線の飛行機内には「クルーレスト」という隠された休憩室が存在しています。

Dreamliner crew rest: The secret space where your 787 pilots, attendants sleep
https://thepointsguy.co.uk/news/secret-crew-rest/

ほとんどの長距離フライトでは共通のルーティンに基づいてサービスが提供されています。客室乗務員は離陸して機体が安定した後に乗客に機内食や飲み物を提供して、食後は機内灯を消灯し、乗客にゆっくり休める時間を提供します。


この消灯後の時間は、乗客にとっては客室乗務員が通路を巡回してサービスを行ってくれない時間ですが、客室乗務員やパイロットにとっては交代で休憩を取る時間です。客室乗務員やパイロットの休憩は、アメリカの民間航空機に関するあらゆる規制を管轄する連邦航空局などの政府機関によって義務づけられています。

客室乗務員やパイロットが休憩を取るために、ほとんど全てのワイドボディ機には「クルーレスト」という秘密の休憩室が存在します。クルーレストは通常は機体の2階部分に存在していますが、2階が存在しない機体の場合は1階の「天井裏」に隠されているとのこと。

アメリカン航空が所有している最新型のボーイング 787-8 ドリームライナーのクルーレストを実際に探索しているムービーが以下。

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ボーイング 787-8 ドリームライナーの機体後部側のクルーレストは、客席のさらに奥側、機内食保管室の手前に存在するドアが入り口。


一見するとトイレにつながっているように見えますが、開くと、上方への階段が隠されています。


階段を上ると、6つのマットレスがあります。そのうち3つは一列に隣り合うように配置されており……


残り3つは階段入り口を取り囲むように配置されています。


クルーレスト内には、緊急時のための煙探知機や消火器、懐中電灯、携帯用酸素ボンベ、コンセント、小型ミラー、コートフック、機内電話などが設置されています。ボーイング 787-8 ドリームライナーの場合はWi-Fiも備わっているそうですが、寝心地は良くないとのこと。


機体前方、コックピットのすぐ後ろにもパイロット用のクルーレストが存在します。こちらは機体後部のクルーレストよりも狭めで、マットレスは2つ。


なお、旧型のボーイング767など、独立したクルーレストの存在しない機体もあるそうです。

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in 乗り物,   動画, Posted by darkhorse_log