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【ニューヨーク=村山誠】日産自動車前会長のカルロス・ゴーン被告(66)(会社法違反などで起訴)が保釈中にレバノンに逃亡した事件で、米国務省は、逃亡を手助けしたとして米国内で逮捕された米国籍の親子2人の日本への身柄引き渡しを承認した。2人の弁護士が29日、裁判所への申立書や声明で明らかにした。
東京地検特捜部は2人について、出入国管理・難民認定法違反(不法出国)のほう助、犯人隠避の両容疑で逮捕状を取得しており、引き渡しを受け次第、逮捕する方針だ。
2人は、米陸軍特殊部隊「グリーンベレー」元隊員のマイケル・テイラー(60)と、その息子のピーター・テイラー(27)の両容疑者。
米マサチューセッツ州の連邦裁判所に提出された申立書などによると、国務省は27日に引き渡しを承認し、28日に弁護士に通知した。29日発のボストン―成田便で2人が移送されるとの情報があり、弁護士は移送を遅らせるよう申し立てた。裁判所はこれを認めたという。
国務省は読売新聞の取材に「コメントしない」としている。両容疑者は5月、日米犯罪人引き渡し条約に基づき、米当局に逮捕された。連邦裁判所は9月、法的に引き渡しが可能との判断を下し、国務省の最終判断が待たれていた。