製薬大手2社の中間決算 医薬品の販売が底堅く堅調な業績

製薬大手、武田薬品工業の中間決算は、アイルランドの製薬大手シャイアーの巨額買収に関わる会計処理が無かったことなどから、最終的な利益が15%の増益となりました。

武田薬品工業のことし4月から9月までの半年間の中間決算は、グループ全体で売り上げが1兆5907億円で、去年の同じ時期より4%減少したものの、最終的な利益は15%増加して865億円になりました。

これは、想定よりも円高が進み、売り上げが目減りした一方で、昨年度の計上したシャイアーの巨額買収に関わる資産価値の見直しなどの会計処理が無く、その反動で最終的な利益が増加した形です。

また、開発中の新型コロナウイルスの治療薬について、電話で会見したクリストフ・ウェバー社長は「ことし中に治験が終わる見込みで、よい結果が出れば、速やかに薬事承認の申請をしたい」と述べました。

一方、小野薬品工業の中間決算は、主力のがんの治療薬「オプジーボ」の販売が好調だったことから、売り上げは1%増加して1504億円、最終的な利益は21%増加して398億円と、この時期としては3年連続の増収増益となりました。

新型コロナウイルスの感染拡大で収益が落ち込む企業が多い中、医薬品の販売は底堅いことから製薬大手は堅調な業績となっています。