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中国の強制収容所で激しい拷問や洗脳を経験したウイグル人の証言


中国では、新疆ウイグル自治区に住むウイグル族など少数民族や、宗教的少数派を対象とした厳しい弾圧や監視が行われています。そんな中国の強制収容所を経験したウイグル人男性が、イギリス・ケンブリッジ大学最古の独立系学生新聞であるVarsityの取材に応え、 中国の強制収容所で経験したさまざまな拷問や洗脳について証言しました。

I am an Uighur who faced China’s concentration camps. This is my story. | Varsity
https://www.varsity.co.uk/interviews/19990

shahit.biz/eng/viewentry.php?entryno=3623
https://shahit.biz/eng/viewentry.php?entryno=3623

China's mass indoctrination camps evoke Cultural Revolution
https://apnews.com/article/6e151296fb194f85ba69a8babd972e4b

中国では、マルウェア大規模な監視システムを用いたウイグル人の監視が行われているほか、ウイグル族を中心とするイスラム教徒を強制収容する施設も存在しており、こうした施設は近年急拡大していると報道されています。

中国のウイグル族収容施設は急速に拡大を続けているという指摘 - GIGAZINE


今回、Varsityのインタビューに応えたӦmir Bekali氏も、中国の強制収容所に投獄された経験を持つウイグル人の1人です。新疆ウイグル自治区にあるトルファン市出身のBekali氏は、2008年にカザフスタンに移住。以来、観光学の知識を生かしてカザフスタンと中国の間を頻繁に行き来する実業家として活躍していました。


事件の発端は2017年3月、当時41歳だったBekali氏が国際的な交易カンファレンスのカザフスタン代表団を案内すべく、カザフスタンからウイグル自治区のウルムチ市に出張していた時の出来事です。3月26日の朝、新疆ウイグル自治区のトルファン市に住む母親宅を訪ねていたBekali氏を、突然5人の警察官が拘束しました。

Bekali氏はその時の様子を、「彼らは私の手を縛り、黒い布で目を覆いました。その瞬間のことを思い出すと、今でも体が震えます」と述懐しています。


強制収容所に入れられる前に、ウイグル自治区・カラマイ市のヤーレンブラク地区警察署に連行されたBekali氏は、そこで4日間激しい拷問を受けました。

拷問の内容は、爪と指の間に針を刺したり、性器に鉄の棒を挿入したりするといった陰惨なものでした。また、手足を「タイガーチェア」と呼ばれる鉄製の椅子に拘束されたり、足が床につかないよう手首だけで縛り上げられたりした後、ハンマーで手をたたき割られたこともあるとのこと。Bekali氏の手には、その時の傷跡がまだ残っています。


この拷問は、Bakali氏にテロ容疑をかけた中国当局が「自白」を引き出すために行ったものでしたが、Bekali氏は「自白」しませんでした。その後Bekali氏は、「カラマイ刑務所」と呼ばれる強制収容所に移送され、そこで4月から11月まで7カ月間収容されました。この7カ月の間も、前述の鉄製の椅子に拘束するといった拷問は続きました。

11月4日に、やっと強制収容所を出ることが許されたBekali氏ですが、解放されたわけではなく、今度は中国当局が「再教育キャンプ」と呼んでいる収容所に入れられました。再教育キャンプは4メートルの高さの壁と電気柵で囲われており、昼夜を問わず警備員が巡回していたとのこと。

再教育キャンプでの典型的な1日は、朝の5時にたたき起こされて、わずかなパンとスープを与えられることから始まります。その後、Bekali氏ら収容者は、昼まで絶え間なく中国共産党を賛美し、中国の偉大さを強調し、習近平国家主席に感謝する歌を歌わされました。また、午後は中国語を話せない人は中国語の授業を、中国語が堪能な人は中国でどのような裁判や刑罰が行われるかを学ぶ講義を受けさせられました。


再教育キャンプでは軍隊式の規則が敷かれ、少しでも規則を守れなかった人は反体制的とみなされ、激しい拷問が加えられたとのこと。Bekali氏も、半死半生になるまで殴打されたり、24時間壁に向かって立たされたりといった拷問を経験しました。1度は自殺しようかと考えるほどに追いつめられたBekali氏ですが、独房内のものはすべてプラスチック製に統一されて、自殺することすらできないようになっていたそうです。

収容から20日後にBekali氏は、カザフスタン政府の働きかけにより再教育キャンプから解放されました。最初に拘束されてから約8カ月の間、Bekali氏の妻はずっとカザフスタン政府に陳情し、地元メディアに働きかけを行って、Bekali氏の解放に尽力していたとのこと。

以下の写真のうち左は逮捕前日のBekali氏で、右は解放から10日後のBekali氏です。顔立ちはそのままですが、ふっくらとしていた頬がこけてしまっていることが分かります。


記事作成時点では妻子はトルコに、自身はオランダに亡命しているというBekali氏は、中国によるウイグル人弾圧について「彼らの最終的な目標は、すべてのウイグル人を絶滅させることです」と話しています。

また、国際社会へのメッセージを求められたBekali氏は「中国によるウイグル人虐殺は、単なる宗教の問題ではなく全世界の人類にとっての試練です。国際社会が、より抜本的な行動を起こすことを望みます」と述べました。

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in メモ, Posted by log1l_ks

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