ブルックリンの大規模教会を主宰する黒人のA・R・バーナード牧師(写真)は迷っていた。ニューヨーク州スミスタウンで20日撮影(2021年 ロイター/Eduardo Munoz)
市内最大の教会であるクリスチャン・カルチュラル・センターの創設者兼CEOであるバーナード師は、この依頼を断ったという。理由は、彼がこの委員会に参加すれば、記録的なペースで開発されたワクチンの「実験台」としてアフリカ系米国人を利用するシステムに「力を貸す」ことになりかねないという意見が信徒の一部に見られたためだ。 一般向けにワクチンが提供されるなかで早期に接種を受ける人々について、「試験的に有色人種に接種しているのではないかという懸念がある」とバーナード師は言う。米国の総人口に占める黒人の比率は13.4%だが、ワクチン治験ボランティアに占める比率は約10%だ。ワクチン接種を推奨することへのこうした躊躇(ちゅうちょ)は衝撃的である。アフリカ系米国人にとってのCOVID-19のリスクについて彼らのコミュニティーを啓発するうえで、黒人の牧師たちは重要な役割を演じてきたからだ。米疾病予防管理センター(CDC)によれば、アフリカ系は白人系に比べ、COVID-19による死亡率が2.8倍高くなっている。
ロイター/イプソスが12月行った調査によれば、ワクチンを接種したいとする比率は、白人系では63%であるのに対し、黒人系では49%に留まっている。この調査によれば、ワクチンの開発スピードやトランプ政権による新型コロナ対応の迷走が不安材料になっている点は、黒人・白人双方に共通している。黒人牧師たちは、彼らのコミュニティーのなかには既存の医療機関に対する根深い不信感を抱くメンバーもいると指摘する。
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