パレスチナ系のタリーブとソマリア難民のオマルはトランプが「国へ帰れ」と名指しして物議を醸した非白人系女性下院議員4人組、通称「スクワッド」のうちの2人。イスラエル政府は当初、両議員の訪問を認める方針だったが、トランプは「入国を許せばイスラエルは大変な弱さを示すことになる」とツイートで警告。イスラエル政府は当然のことながら、その日のうちに入国禁止を発表した。確かにイスラエルは、BDS運動を支持する外国人の入国を法律で禁じている。タリーブとオマルはBDSの支持者だが、ロン・ダーマー駐米イスラエル大使が「米議会への敬意を表し」入国を許可すると発表したばかりだったことを考えれば、トランプの一声で方針転換したことは明らかだ。
この法律は17年に制定され、過去にはノーベル賞を受賞したアメリカ・フレンズ奉仕団なども「ブラックリスト」入りしている。ヘブライ大学で学ぼうとしていたパレスチナ系アメリカ人がBDS支持者と見なされ国外退去を命じられたこともある(のちに撤回)。今回はそこにトランプが唐突に介入したわけだが、その政治的意図は明らかだ。何としてでもアメリカ初の女性ムスリム議員の2人を民主党の「顔」に仕立て上げ、同党が「反イスラエル」であるという印象を植え付ける。そうして自らの支持層である右派やキリスト教福音派にアピールし、ユダヤ人の民主党離れを狙っているのだろう。 このトランプのもくろみに同調するのは、イスラエルにとって危険度が大きい。かつてアメリカは超党派的にイスラエルを全面支持してきたが、最近の民主党はイスラエル政府、とりわけネタニヤフに批判的だし、イスラエルに対するアメリカの立場は今まで以上に党派的に割れつつある。
違うでしょ、イスラエルがやりたかったことをトランプ大統領がアシストしただけです。
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