さて、前回からは「デッドニング」を自分で行う際の注意事項やコツの解説を開始している。で、まずはドアの内張りパネルを取り外し、続いては雨よけのビニールシートを取り除く必要があることを説明した。そしてこの作業がなかなかにやっかいであることも付け加えた。
やっかいである理由は、「シートを接着している“ブチルゴム”の除去が大変だから」だ。車体メーカーごとで使用しているブチルゴムの質が異なるので大変さの度合いにも多少の差が出るが、簡単に除去できるケースはほぼない。そして場合によってはひどく苦労することもある。頑固なブチルゴムが使われていることもあるからだ。 しかし除去するのが難しいタイプであっても、手を抜くことは許されない。なぜなら、最終的な「デッドニング」の完成度が落ちるからだ。鉄板をキレイにしておかないと、鉄板の共振を抑制するための制振材が後から剥がれやすくなる。簡単に剥がれてしまったら「デッドニング」を行った意味がない。むしろ害になるだけだ。2つ目のコツは、「薬剤の使用は最後にする」、これも重要だ。ブレーキクリーナー等の溶剤を使うとキレイに仕上げられるのだが、最初から多用するのはNGだ。まだブチルゴムが大量に残っている段階で溶剤を使うと、むしろ広がってしまって余計に作業が大変になることがある。なのでまずは、ヘラ等を使って直接ブチルゴムを取っていこう。そして溶剤の使用は、最後に試しながら使うと上手くいきやすい。こうしてある程度を取り除けたら溶剤を活用し、合わせて鉄板全体の“脱脂”を行おう。キレイに仕上げられるほどに制振材の定着度が高まり、制振効果も上がっていく。地道に頑張ろう。
大きな音を出さないなら そのままでOK❓ 大きな音でビビリ音が出る場合 その場所に制振材を貼る❓
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