ティモシー・モートンが語る、パンデミックという「ハイパーオブジェクト」(前篇)

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地球は人間のための場所である以上に、発泡スチロールのための場所であると言っても過言ではない。

15年には、モートンとビョークの間で交わされた膨大な電子メールのやり取りの一部が、ニューヨーク近代美術館で開催されたビョークのこれまでの業績を展望する回顧展のカタログ『Björk: Archives』に収載された。モートンはビョークに、「君の歌『Virus』がすごく好きだ」と書いている。「Virus」はパンデミックのストーリーではなく、ラヴソングだ。

モートンはあまり抑揚のないソフトな話し方をする。「トカゲに餌をやりに、ちょっと家に寄ってもいいかな?」助手席に乗り込んだわたしに彼が尋ねた。「ちょうどその時間なんだ」。わたしたちはヒューストン中心部のモントローズ地区にある、ごくありふれた平屋建てのモートンの家にクルマで向かった。家ではモートンの10歳の息子サイモンが椅子の上にひざまずき、テラリウム(飼育用のガラス容器)を覗き込んでいた。容器の中で、わたしの前腕ほどの大きさで全身がとげで覆われた、ベージュ色のトカゲがオレンジ色の強い光に照らされていた。 『猿の惑星』がモートンにとって魅力的なのは、結末が予想外の展開をたどるからであり、危機的な瞬間を利用してわたしたちの考え方を転換させるからだ。モートンは、人類が生態系の危機に近づくにつれ、現実を別の角度から見ることが容易になってきたと考えている。現実の世界には「奇妙なよそ者」──つまり、「知りうるけれどとらえがたい」ものが溢れているとモートンは説く。この「奇妙なよそよそしさ」は、岩石、樹木、テラリウム、プラスティック製の自由の女神、クエーサー、ブラックホール、マーモセットなど、誰もが遭遇するであろうあらゆるものの不可分な一部であるとモートンは説明する。それを認めることで、わたしたちは外界のものを支配しようとするのではなく、その不可解さに敬意を払うことを学ぶようになるのだ。

 

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