激痛にホームベース上でもん絶した。18年前の3月6日。西武との本拠地福岡ドーム(現ペイペイドーム)でのオープン戦。ダイエー小久保は一塁から駆け込んだ本塁のクロスプレーで大けがを負った。右膝の前十字靱帯(じんたい)の断裂など全治6カ月だった。03年、ホークスの「4番打者」はシーズンを棒に振った。小久保にとっては無念すぎる大アクシデントだった。もちろん、チームにとっても痛すぎる主砲の戦線離脱だった。だが、ホークスはシーズンを勝ち抜いた。今やチーム最年長となったルーキー和田が14勝をマーク。新人王に輝き、チームは3年ぶりにリーグ制覇。日本シリーズでは阪神を4勝3敗で下して4年ぶりの日本一を奪還した。「小久保不在」にチームが一丸となった覇権だった。
今季、小久保はヘッドコーチとして9年ぶりにホークスに戻ってきた。キャンプから野手陣に1日1000スイングを課し、オープン戦のこの時期も「2次キャンプ」の意味合いで、若手を中心に試合後の練習にも取り組んでいる。6日、阪神に連敗を喫したとはいえ、まだまだ勝敗を気にすることはない。キャンプから順調にチームを仕上げているこの時期に、首脳陣が最も注意しなければならないのはケガである。 「もう18年になりますね。今日は(選手たちに)ケガもなかったし、よかった」。「3・6」は小久保ヘッドにとっても一生忘れられない日であることは間違いない。試合後、小久保ヘッドは「あの日」を思い出し、右膝を触りながら笑った。 ファームで調整するエース千賀、柳田の合流にもメドが立ってきた。残り20日を切った開幕への総仕上げに工藤監督ら首脳陣も細心の注意を払っていることだろう。難しいかじ取りだが、限界を求めつつ、ケガ防止には最善を尽くしてもらいたい。【ソフトバンク担当 佐竹英治】
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