スバルが、ニュル北コースのEV最速記録を目指すという電気ハイパーカー「STI E-RA」を幕張メッセで開催された東京オートサロン2022で発表しています。現在はコンセプト段階であるため、その詳細な仕様は明らかにされていないものの、EVの心臓部となるモーターにはヤマハ製の電動ハイパーカー用モーターユニットを4基搭載、総出力は800kW、最大トルクは1100Nmにのぼります。
このマシンは「カーボンニュートラル時代に向けて、モータースポーツの世界で新しい技術の経験と修練を積む」と謳って開発され、具体的な目標としてはニュルブルクリンク北コースで2023年に6分40秒台のラップレコード達成を掲げています。 なお、電動ハイパーカーの北コース最速記録はフォルクスワーゲンがID.Rで達成した6分5秒が残されているため、スバルが世界最速を名乗りたいのであれば、この記録を短縮しなければならないはずです。。スバルは今年後半に国内のサーキットでテスト走行を実施する予定とのこと。 STI E-RAはVW ID.Rよりもホイールベース短めの設計となっており、空力的付加物のあれこれによって車体をより強力に地面に押しつけることでコーナリングを重視したデザインであるように思えます。また、運転席の上に取り付けられたエアインテークはスバル栄光のラリーカー、インプレッサWRCの面影とも言えます。
スバルは自動車メーカーの中では電気自動車への取り組みが遅れているとされるだけに、その技術力が水平対向エンジンだけでなく電気の時代にも通用すると広く印象づけるためには、STI E-RAが果たす役割は重要と言えそうです。ちなみに独ニュルブルクリンク北コースは、ドイツ語ではNordschleifeと呼ばれます。また、往年のF1世界チャンピオン、ジャッキー・スチュワートは、1周20km以上にわたり、ひたすら森林の中150以上のコーナーをクリアしつつ駆け抜けるこの難コースを「The Green Hell」と呼んだことがよく知られています。世界の自動車メーカーは高パフォーマンスカーの性能評価のため、よくこのサーキットを使用しています。
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