そんなあやふやな状態でスタジアムに入って、あの熱い応援っぷりだ。席に余裕があるはずなのに、特にイングランド側には人がぎっしりで、肩を組んで大声で応援したり、点が入れば抱き合ったり。日本では「ワクチンが進んでいると、もうあんなことができるのか」という声があったらしいが、いやいや、国内でもテレビを観てぞっとしていた。確かに英国のワクチン完了率は成人のほぼ70%だが、ワクチンは主に重症化を抑えるのであって、打った後でも感染はするのだし。
スタジアムでは証明が求められるからまだしも、近所のパブに入るのに証明はいらない。家族や友人で集まった人もいるだろう。本来なら室内で同席できるのは6人までだったはずなのに、いつの間にか店内で全員一緒に応援している様子を見て、これまたはらはらした。今大会での合言葉だったFootball's coming home!(優勝するぞ!)をもじって、Covid is coming home(勝つのはコロナだ)、Wembley variant(ウェンブリー株)というブラックジョークも囁かれた。実験結果の一部として、6月の対スコットランド戦で観戦やイベントに参加したスコットランド在住者のうち、1991人が感染したことがわかっている。他にも感染源はあるのでサッカー観戦との明らかな関連はないと言うけれど、そうなのかなあ。この時は入場券を持っていないファンが数万人もスコットランドから押し寄せて、ロンドン市内のあちこちで大騒ぎしたのだ。しかも感染者のうち9割が男性で、3分の2はロンドンに移動していたと聞くと、サッカー観たからじゃないの?...
英国全体では大会中からデルタ株が猛威をふるっており、特に決勝後の1週間は1日の感染者数が連日5万人を超え、重症患者も増えていた。現在は3万人台に下がっているので、サッカーがらみの感染が落ち着いたのでは、という見方も出ている。イングランドでは7月19日にコロナ規制がほぼ取り払われて、法律上はマスクの着用義務もなくなった。ところがそのすぐ翌日に、大型イベントでのワクチン証明義務化を検討することが発表されたのだ。まだまだ油断できない。熱烈なサッカーファンは、試合の前後に酒を飲んで騒ぐのがお決まりのようになっている。もちろん大会中もこれは同じで、イングランドが勝ち進むにしたがって、騒ぎはエスカレートしていった。夜な夜な(時には昼間から)パブや路上でのトラブルが続出。街の中心部に住む友人は雄叫びの声で眠れなかったそうだし、若者が集まるエリアで働く知人は、酔っ払いが怖くて職場に近寄りたくない、イングランド早く負けて、とまで言っていた。
日本 最新ニュース, 日本 見出し
Similar News:他のニュース ソースから収集した、これに似たニュース記事を読むこともできます。