緊急事態宣言 大阪の街はひっそり タクシーは…

緊急事態宣言 大阪の街はひっそり タクシーは…
大阪府などに緊急事態宣言が出され、企業の在宅勤務も呼びかけられる中、大阪の街はふだんよりひっそりとしています。
人出が少なくなっている影響を大きく受けているのがタクシー業界です。

大阪の繁華街・ミナミにあるタクシー乗り場では、駐車場所に入りきらないほど客を待つタクシーが列をなしていました。

このうち、運転歴20年のドライバーは「おとといの緊急事態宣言でどこに行っても人がいなくなり、行くところがないので駅で待つくらいしかできない。きょうも朝の4時に出勤して、もう10時を過ぎているのに4組しか客を乗せていない。これまでも不況があったがこんなことはなかった」と話していました。

また、70歳の男性ドライバーは「アルコール消毒や換気をしたりマスクをつけるなどの対策をしているが、なかなかお客さんがつかまらない。私も感染は怖いが、生活のために働かざるをえない。宣言は仕方ないが補償など何らかの対策をしてほしい」と話していました。

大阪府内のおよそ7割のタクシー会社が加盟する大阪タクシー協会が、府内の大手5社の売り上げを急きょ調べたところ、感染が広がり始めた先月1日から14日までの売り上げを前の年の同じ時期と比べるとおよそ76%と2割以上減っていました。

大阪タクシー協会の井田信雄専務理事は「売り上げはさらに減り、ドライバーからは『生活が成り立たなくなる』という不安の声も届いている。このままでは潰れる会社も出てしまう」と危機感を募らせています。

このため協会では、全国のタクシー協会と協力し、国に公的融資の拡充などができないか要望を出しているということです。

井田専務理事は「この状況がいつまで続くのか分からない。事業の計画も立てられない。損失をすべて補償するのは無理でも少しでも経営の支えになるような政策が実現してくれないかと願っている」と話していました。