【鑑賞眼】こまつ座「母と暮せば」 死んだ息子に背中を押されて生きる母

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【鑑賞眼】こまつ座「母と暮せば」 死んだ息子に背中を押されて生きる母 気持ちを持ち直して助産師の七つ道具を準備する母と、後ろの階段から幼いころのように背中を丸め、静かにそれを見守る息子の姿が、優しくて悲しかった。

終戦から3年後の長崎を舞台に、母子家庭で育ち、原爆で死んだ1人息子の幽霊と、その母の物語だ。畑澤聖悟作、栗山民也演出。同名映画を撮影した山田洋次監督が監修し、「戦後〝命〟の三部作」の最後の1作として舞台化され、3年前に初演された。5月に上演された広島が舞台である井上ひさしの戯曲「父と暮せば」と対になっている。

助産師の伸子(富田靖子)は、原爆投下の日に、長崎医科大に行ったまま行方不明となった1人息子の浩二(松下洸平)に陰膳を供え、諦めつつも無事を祈る日々を送っていた。自分も食事に手をつけようとしたとき、不意に誰かの気配を感じる。「だれか、おると?」「僕だよ」-。再演では、舞台上に怨霊が2人いるという印象に変わった。大事な息子を失い、3年間地獄を見てきた母親の底知れなさも感じた。 小さな部屋に差し込む赤い夕日を背景に、客席を振り向き、死んだ息子に被爆者への仕打ちについて話す伸子の顔に浮かぶすごみ。原爆投下で校舎の下敷きになり、足の先から自分の体が燃えていくのを感じて死んだ浩二の叫び。それでも死者である息子は、世間の仕打ちもあって一度は助産師であることをやめようとした母親の、生者の背中を未来に向かって押す。東京都新宿区の紀伊國屋ホール、7月3日~14日。7月19日~9月12日、九州や神奈川県などで公演予定。配信は8月6日~9日、Confetti Streaming Theaterで。問い合わせはこまつ座、03・3862・5941。

 

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