【日曜に書く】論説委員・森田景史 カツカレーと「猛牛」哀歌

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【日曜に書く】論説委員・森田景史 カツカレーと「猛牛」哀歌 オリックスが引き継いだ「バファローズ」は今季の日本シリーズでヤクルトに敗れ、またも日本一を逃した。 「バファローズ」が遠い向こう岸の「日本一」と結ばれる日は、いつか来るのだろうか。

西洋料理店『銀座スイス』のウェブサイトに、千葉茂という元プロ野球選手が生みの親として記されている。戦前戦後に活躍した東京巨人軍の二塁手で、華麗な守備と右方向への流し打ちが「名人芸」とうたわれた人だ。同店をひいきにした千葉はある日、メニューにない注文をした。突飛(とっぴ)な発想は店側を驚かせたが、一つ皿の上で結ばれた2つの味が人々の舌を喜ばせるのに時間はかからなかった。千葉が放った会心の一打は、やがて店の看板メニューとなる。プロ野球がまだ1リーグ制だった1948(昭和23)年頃の話だ。球団の新たな愛称となった「バファロー」は、千葉の異名である「猛牛」にあやかったものだ。千葉が率いる近鉄は3年連続の最下位に終わり、監督辞任とともに愛称は「バファローズ」に変わった。小紙運動部の記者となった21年前、最初に担当したのも近鉄(当時は大阪近鉄)だった。2004年にはオリックスとの合併に伴う球団消滅を、番記者として見届けている。

近畿日本鉄道を親会社とした近鉄球団と、阪急電鉄を母体とした阪急球団の系譜を継ぐオリックスでは、チームの気風も選手の気質も違う。水と油どころか「まぜるな危険」の危うさに満ちていたことは、合併話に猛反発する近鉄の選手やファンを見れば明らかだった。「それを出してくれるのは、誰やと思う?」。近鉄本社の幹部は筆者にこう問いかけた後、一拍置いて続けた。球団という最良のコンテンツを持ちながら、沿線の客足を球場に向けることしかアイデアがない。それが当時の鉄道会社の限界だったか。それとも、もともと「鉄道」と「球団」の相性が芳しくなかったのか。南海、阪急、近鉄という在阪の鉄道会社は、阪神を残して球団経営から手を引いた。近鉄の球団消滅を最後に、筆者はプロ野球取材を離れた。それから17年、オリックスが引き継いだ「バファローズ」は今季の日本シリーズでヤクルトに敗れ、またも日本一を逃した。一つだけ安堵(あんど)を覚えたことがある。ヤクルトの歓喜の輪の中に、懐かしい顔があった。坂口智隆。03年にプロ入りした37歳は、現役選手の中で「近鉄バファローズ」に在籍した履歴を持つ最後の一人だ。新人の頃の坂口に筆者は取材したは

投手部門の4冠と沢村賞を手にした山本由伸。鳴かず飛ばずの打棒が6年目で目覚め、本塁打王となった杉本裕太郎。投打の太い柱を擁しながら辛酸をなめたオリックスに、何が欠けていたのか分からない。今月で没後19年となる千葉も、あの世で思案投げ首に違いない。

 

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ちょっと勘違いな記事。オリックスは常勝阪急ブレーブスの後継球団です。

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