戦国東都に現れたスーパー1年生が、さらなる成長を誓った。1年春の4本塁打(93年の東洋大・今岡誠と並ぶタイ記録)、秋の2本を含めた1年時の年間6本塁打は、いずれも東都の最多記録だ。それでも「6本も、ではなく、6本しか打てなかった。この1年は、成長できてない、悔いが残る1年でした」と、厳しい自己評価を口にした。
思い当たるのは、練習量の減少だ。県岐阜商時代は、厳しい指導で知られる鍛治舎巧監督(70)に鍛えられ、平日は放課後の午後4時から同10時頃まで猛練習を課されていた。一方、大学は全体練習が少なく、授業の合間を縫って自主練習に取り組むというスタイル。「生活のリズムの変化に対応しきれず、自分で練習量をうまく作り出すことができませんでした」と振り返る。 また、本来は逆方向にも放り込める広角打法が持ち味だったが、リーグ戦の計6発はいずれも左翼方向だった。秋季リーグ戦後、安藤寧則監督(44)にその点を指摘され、原点回帰。新チーム結成後のオープン戦では3本塁打のうち、2本を右中間に打ち込んだが「まだまだです。あっち(右方向)に打とうと思って打ったホームランなので。狙ってなくても、無意識に反応で逆方向に放り込めるように筋力をつけていきたいです」。
青学大の先輩で、通算24本塁打のリーグ記録を持つ現ロッテ・井口監督でさえ、1年終了時は1本だけだった。来春からは勝ち点制に戻る予定で、そうすれば、2試合総当たり制だったこの春秋よりも試合数が増える可能性が高まる。 新記録達成に向け、来春以降も周囲の注目を浴びてのプレーとなりそうだが「井口さんの記録はそこまで意識してないです。チームが試合で勝つためにホームランを打って、結果として24本を超えていたらいいですね」。広角にアーチを量産して、チームを06年春以来となるリーグV、そして05年を最後に遠ざかっている全日本大学選手権制覇に導く。
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