しばらくたって、知人の画家が個展をするというので、そのギャラリーをたずねてみると、白い壁のきれいな、ちょっとしゃれた雰囲気のスペースが現れた。東京へ、京都へ、沖縄へ。とにかく、あちこちに出向いて、ときに新たな才能を発掘したり、アートイベントや映画祭などにも実行部隊として絡んでゆく。10月は連日、多忙をきわめた。大阪市中央公会堂で行われた「OSAKA LAUGH&ART...
エリアは大阪を除く近畿一帯。そこで上野さんが目指したものは新しい才能の発掘だった。「ラジオ大阪出身ですから、とにかくコミュニティーFMを回ったりして、面白い人を探しました。そのなかで、京都・嵯峨美術大学の安斎レオ教授やゲキメーション作家の宇治茶監督と知り合い、意気投合したんです」 少しずつ異なった絵を撮影して動いているように見せるアニメーションに対して、ゲキメーションは描いた人物や動物などの絵を切り取り、その位置変化で動きを表現する。宇治茶監督は劇画とアニメーションを合体させたこの技法に京都嵯峨芸術大(現・嵯峨美術大)在学中から取り組み、25年には映画「燃える仏像人間」で文化庁メディア芸術祭優秀賞に輝いた。
上野さんは安斎教授とともに、たった1人で作画から撮影までをこなす宇治茶監督を見込んで、長編映画「バイオレンス・ボイジャー」をプロデュース。すると、この作品のアイデアが世界的に高く評価され、2018年にアルゼンチンのブエノスアイレス国際インディペンデント映画祭で審査員特別賞を受賞する。その後、テレビドラマ「妖怪シェアハウス」(テレビ朝日系)や「ふしぎ駄菓子屋 銭天堂」(Eテレ)にも起用された宇治茶監督。いまや吉本所属で、アート文化人事業部部長、上野さんイチオシのアーティストなのである。
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