伝統的な日本画の様式を使い、過去と現在が絡み合う緻密な都市鳥瞰図(ちょうかんず)などで知られる画家、山口晃さんが原画を手掛けた大型ステンドガラスが、このほど東京メトロ銀座線日本橋駅(東京都中央区)構内に設置された。日本橋の街の変遷が、超絶技巧の職人技によって色鮮やかに表現され、行き交う人の目を楽しませている。題して「日本橋南詰盛況乃圖(にほんばしみなみづめせいきょうのず)」。縦2・1メートル、横6メートルのLED内蔵ステンドグラスで、高島屋の協賛で制作。今月から日本橋高島屋S.C.へと続く駅の公共空間(B1出口付近)に登場した。
山口さんによると、中央区の資料や写真アーカイブ、各年代の地図、国土地理院が戦前から残している空中写真などを参考にしたという。「ある段階までは資料を読み込みますけど、最後まで使っていては絵が描けない」と山口さん。さらに、「調べてもわからない部分はみんなも知らないというわけで、噓をつき放題」とニヤリ。 リーダーの中野竜志さんは「仕事柄いろんなステンドグラスを見てきましたが、ここまで緻密なのは見たことがない」と語る。計1182ピースのガラスで構成された大画面は、山口さんの制作監修のもと、職人6人が約1年かけて完成させた。「面積に対しピース数はそれほど多くないのですが、ほぼ全てのガラスピースに絵を描いて焼き付ける『絵付け』を施している。それが今までにない挑戦でした」と振り返る。
人工的に切り開かれた「日本橋川」に最初の「日本橋」が架けられたのは、徳川家康が江戸幕府を開いた1603年。やがて五街道の起点として陸運・水運の要衝となり、今も7つの国道の起点となっている。「その真上に、大物流時代の一大インフラである首都高が走るというのは場所性として完璧」と山口さん。「真下に行くとすごく圧迫感はあるけれど、10、20メートルも離れると首都高に雑多なビルが隠れて、ものすごく空が広く見えるんです」
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