『絶対に解けない受験世界史3 悪問・難問・奇問・出題ミス集』稲田義智著(パブリブ) 2750円 : 書評 : 本よみうり堂 : エンタメ・文化 : ニュース

『絶対に解けない受験世界史3 悪問・難問・奇問・出題ミス集』稲田義智著(パブリブ) 2750円 #カルチャー

カルチャー, アジア

2021/10/28 23:35:00

『絶対に解けない受験世界史3 悪問・難問・奇問・出題ミス集』 稲田義智 著(パブリブ) 2750円 カルチャー

評・ 苅部直 (政治学者・ 東京大 教授) 大学の入試問題に誰も解けないような難問・奇問が登場し、受験生を悩ませることは、よく話題になる。昨今の入試制度をめぐる改革で、知識を詰めこんだ量よりも、思考力を測る試験への転換が試みられ

だが世界史という科目に関しては、特殊な事情がさらに重なっている。たとえば某大学は二〇一七年度に、「アジアからの遊牧民」として「マジャール人」を答えさせる問題を出した。だが設問の文面は高校学習参考書からの丸写しであり、そもそもアジア系という理解が、今では検定教科書から消えている古い説明だった。おそらくは出題にあたる大学教員が、自分の専門ではない、さまざまな地域と時代に関する問題を作っているからだろう。そのために、世界史教科書や用語集から細かい情報を拾い出して、深く検討しないまま 杜撰(ずさん) な出題をしてしまうのである。「受験世界史研究家」である著者、稲田義智は、そうした入試関係者の「単純な怠惰と 傲慢(ごうまん) さ」をきびしく批判しながら、各年度の問題から悪問や出題ミスの数々をとりあげ、詳しく論評している。歴史好きの読者は、難問クイズ集として楽しむこともできるだろう。

昨今「高大接続」が盛んに唱えられるにもかかわらず、そのつなぎ目である入試問題は、どういう知識を新入生に求めるかについて、十分に考えないまま作られているのである。バラク・オバマ大統領の業績や、ハーマン・メルヴィルの『白鯨』について問うた大学もあるが、優秀な高校生なら知っていて当然の一般教養だとみなすのは、さすがに無理がある。

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終末世界の奇妙な食材で激うま料理を作る『カタストロフィレストラン』が6月3日にリリースへ。動き回る肉をハンマーで狙って叩き、シューティングゲームのように塩を振る

合同会社ズィーマは5月24日(火)、終末世界の食材を使って極上の美味しさを生み出すiOS/Android向け料理アドベンチャーゲーム『カタストロフィレストラン』を6月3日(金)にリリースすると発表した。 続きを読む >>

『沖縄島料理 食と暮らしの記録と記憶』監修・写真 岡本尚文 文 たまきまさみ(トゥーヴァージンズ) 2090円 : 書評 : 本よみうり堂 : エンタメ・文化 : ニュース評・橋本倫史(ノンフィクションライター) 2022年、沖縄は復帰50年を迎える。来春から放送が始まるNHK連続テレビ小説も、沖縄料理がテーマとなる。節目の年を前に、『沖縄島建築』に続く「沖縄島探訪シリーズ」第2弾として、

『「論理的思考」の社会的構築 フランスの思考表現スタイルと言葉の教育』渡邉雅子著(岩波書店) 4620円 : 書評 : 本よみうり堂 : エンタメ・文化 : ニュース評・飯間浩明(国語辞典 編纂 ( へんさん ) 者) 大学受験の小論文指導は、先生たちにとって悩みの種です。本書の著者は、日本の小論文を〈起承転結に基づく〉ものと述べます。ただ、起承転結は本来、漢詩を作るための形式です。

『それでも選挙に行く理由 WHY BOTHER WITH ELECTIONS?』アダム・プシェヴォスキ著(白水社) 2090円 : 書評 : 本よみうり堂 : エンタメ・文化 : ニュース評・国分良成(国際政治学者・前防衛大学校長) 「民主主義は最悪の政治形態と言われる。これまでに試みられたすべての政治形態を除けばの話だが」。チャーチル英元首相の有名な格言は、本書の論旨に近いものがある。 だが今日の世界で

テレビ持たない人にNHK番組をネット配信実験…3000人対象に1週間~3か月 : エンタメ・文化 : ニュースNHKは26日、2022年度中に実施することを表明している、テレビを持たない人向けにインターネットで番組配信する実証実験について、最大3000人程度を対象に、1週間から3か月程度の期間で行うと明らかにした。実験は検証テ また、電波(番組)の押し売りですか? 怖い怖い 大 迷 惑 !

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「ホリプロ」堀会長、「ガンダム」富野監督も…文化功労者の業績と略歴 : エンタメ・文化 : ニュース芸能界地位向上に力 堀威夫さん 89 文化振興・芸能プロモーション…文化功労者 芸能プロダクションを営み、和田アキ子さん、山口百恵さんら多くのスターを世に送り出した。芸能界の社会的な地位向上にも力を尽くした。「長くやって

大学の入試問題に誰も解けないような難問・奇問が登場し、受験生を悩ませることは、よく話題になる。昨今の入試制度をめぐる改革で、知識を詰めこんだ量よりも、思考力を測る試験への転換が試みられた理由の一つである。 だが世界史という科目に関しては、特殊な事情がさらに重なっている。たとえば某大学は二〇一七年度に、「アジアからの遊牧民」として「マジャール人」を答えさせる問題を出した。だが設問の文面は高校学習参考書からの丸写しであり、そもそもアジア系という理解が、今では検定教科書から消えている古い説明だった。 おそらくは出題にあたる大学教員が、自分の専門ではない、さまざまな地域と時代に関する問題を作っているからだろう。そのために、世界史教科書や用語集から細かい情報を拾い出して、深く検討しないまま 杜撰(ずさん) な出題をしてしまうのである。「受験世界史研究家」である著者、稲田義智は、そうした入試関係者の「単純な怠惰と 傲慢(ごうまん) さ」をきびしく批判しながら、各年度の問題から悪問や出題ミスの数々をとりあげ、詳しく論評している。歴史好きの読者は、難問クイズ集として楽しむこともできるだろう。 昨今「高大接続」が盛んに唱えられるにもかかわらず、そのつなぎ目である入試問題は、どういう知識を新入生に求めるかについて、十分に考えないまま作られているのである。バラク・オバマ大統領の業績や、ハーマン・メルヴィルの『白鯨』について問うた大学もあるが、優秀な高校生なら知っていて当然の一般教養だとみなすのは、さすがに無理がある。 それでも、先の一月に初めて実施された大学入学共通テストに関しては、試行調査の雑な出題を克服して「よく軌道修正されていた」という。良問を出すと著者が評価している大学も、数は少ないが存在する。大学関係者は自己反省のために、それ以外の読者は歴史教育のあり方を考えるために、ぜひ読んでほしいと思う。