『剛心』木内昇著(集英社) 2200円 : 書評 : 本よみうり堂 : エンタメ・文化 : ニュース

2022/01/13 23:35:00

『剛心』木内昇著(集英社) 2200円 #カルチャー

カルチャー, 東急東横線渋谷駅

『剛心』木内昇著(集英社) 2200円 カルチャー

評・ 堀川惠子 ノンフィクション作家 ) 亡き夫と初めて待ち合わせをした、かまぼこ屋根の 東急東横線渋谷駅 。それが再開発で 忽然 ( こつぜん ) と消えたとき、自分の大切な何かを無くした気がした。時は遡って明治の話、内戦や

本書の主人公・妻木 頼黄(よりなか) は旧旗本の子。天涯孤独となり単身渡米、苦学の末に明治政府に勤める建築家となった。彼が 辣腕(らつわん) を振るうのは東京の官庁街、日清戦争で大本営が移された広島、そして立憲政治の要たる議院(国会議事堂)。日本の近代化の歩みを「建物」を舞台に描く壮大な物語である。建築は総合芸術だ。綿密な設計、構造、意匠もさることながら、現場で 煉瓦(れんが) をひとつひとつ積み上げる職人がいなければ何も始まらない。無口な大工、心配症の資材調達係、一本気な現場監督と、登場人物は多種多彩でアクが強い。腕に覚えのある職人たちが妻木の下に集まり、己の技を 活(い) かす道を探りあい、一丸となって日本の景色を変えていく。

発展が「喪失」であってはならない。妻木が目指すのは、町の風景に溶け込む「江戸の再興」。それも懐古主義ではなく、最新の技術で災害や火事から人を守る建物だ。功名を排して無心で挑めど、時代の開拓者は常に孤独。苦しみは仕事でしか報われない。人生をかけた議院の完成は見ることの 叶(かな) わなかった妻木だが、情熱は 伝播(でんぱ) する。彼の信念は部下たちに引き継がれ、やがて新たな形となる。読書の後半、ふと気づく。これは単なる建物の物語ではないのだと。

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亡き夫と初めて待ち合わせをした、かまぼこ屋根の東急東横線渋谷駅。それが再開発で 忽然(こつぜん) と消えたとき、自分の大切な何かを無くした気がした。時は遡って明治の話、内戦や西欧化で江戸の街並みを失った町人たちの喪失感はいかほどだったか。風景は人生の一部、その景色を作るのは建物だ。 本書の主人公・妻木 頼黄(よりなか) は旧旗本の子。天涯孤独となり単身渡米、苦学の末に明治政府に勤める建築家となった。彼が 辣腕(らつわん) を振るうのは東京の官庁街、日清戦争で大本営が移された広島、そして立憲政治の要たる議院(国会議事堂)。日本の近代化の歩みを「建物」を舞台に描く壮大な物語である。 建築は総合芸術だ。綿密な設計、構造、意匠もさることながら、現場で 煉瓦(れんが) をひとつひとつ積み上げる職人がいなければ何も始まらない。無口な大工、心配症の資材調達係、一本気な現場監督と、登場人物は多種多彩でアクが強い。腕に覚えのある職人たちが妻木の下に集まり、己の技を 活(い) かす道を探りあい、一丸となって日本の景色を変えていく。 発展が「喪失」であってはならない。妻木が目指すのは、町の風景に溶け込む「江戸の再興」。それも懐古主義ではなく、最新の技術で災害や火事から人を守る建物だ。功名を排して無心で挑めど、時代の開拓者は常に孤独。苦しみは仕事でしか報われない。人生をかけた議院の完成は見ることの 叶(かな) わなかった妻木だが、情熱は 伝播(でんぱ) する。彼の信念は部下たちに引き継がれ、やがて新たな形となる。読書の後半、ふと気づく。これは単なる建物の物語ではないのだと。 その昔、「24時間戦えますか」というCMが 流行(はや) った。今なら「労基法違反」と 一蹴(いっしゅう) されるだろう。それでも寝食を忘れ、ひとつ事に没頭し、挫折しながらも必死に何かを築きあげていく喜びははかり知れない。仕事の大小を問わず、本書は汗して働くすべての者たちへの応援歌である。 .ファシズムと聞くと、多くの人はヒトラーやムッソリーニといったカリスマ指導者に率いられた熱狂的で強権的な政治体制を思い浮かべるだろう。かつては研究者の間でも、戦前日本がファシズムであったかという論争が盛んであったが、最近はすっかり見かけなくなった。ところが、英語圏の日本研究では、近年このファシズムという分析用語が復権しつつあるという。 本書の主役は、岸信介を中心とする革新官僚たちである。第一次世界大戦後の科学技術の進歩を背景に、彼らはテクノロジーや社会政策に関する高度な知識をもつテクノクラートとして台頭してきた。革新官僚たちは、自由放任で私的利益を過剰に追求する社会は時代遅れであると批判した。そして、行政の積極的な介入によって、各企業を協調させ、科学的な管理の下で生産や流通を効率化すれば、国民経済を発展させられると考えたのである。 彼らの主張は、やがて総力戦時代に備えた陸軍と結びつき、満洲国や日本本土での統制経済を押し進めた。そして、ついには日本のような「持たざる国」でも、テクノロジーと国民精神によって資源の欠乏を克服できるとして、アジアへの帝国主義的な拡張を正当化するに至る。著者はこのようなテクノクラートの統制下におかれた新しい権威主義体制を「テクノファシズム」と呼ぶのである。 本書で展開されている議論は決して目新しいものではない。しかし、戦時日本の精神主義や非合理性を強調しがちであった旧来の見方とは異なり、本書は、イデオロギー的に中立であったはずのテクノクラートが、国家と社会における技術的合理性を追求するなかで、いつしか大東亜共栄圏のイデオローグになっていく過程が巧みに描き出されている。 革新官僚の思想に焦点をあてた本書は、逆説的ながら、官僚の無思想性を明らかにしているといえよう。ハンナ・アーレントが指摘した「悪の陳腐さ」の意味を改めて考えさせられる一冊である。安達まみ、高橋実紗子訳。.映画化された「春を背負って」などで知られる作家の笹本稜平(ささもと・りょうへい、本名非公表)さんが昨年11月22日、急性心筋梗塞(こうそく)で死去した。70歳だった。告別式は済ませた。 フリーライターを経て2000年、阿由葉稜の筆名でデビュー。01年、「時の渚」でサントリーミステリー大賞と読者賞をダブル受賞。04年、「太平洋の薔薇(ばら)」で大藪春彦賞。テレビドラマとなった「越境捜査」「駐在刑事」などの警察小説や「天空への回廊」などの本格的な山岳冒険小説を数多く手がけ、山小屋を舞台とした「春を背負って」は14年に映画化された。.心と体の性が一致しないトランスジェンダーへの理解を促し、性自認に悩む若者を励ます映画「フタリノセカイ」が14日から公開される。監督で、自身もトランスジェンダーの飯塚 花笑(かしょう) さん(31)は「誰もが生きやすい社会を作る一助になれば」と話す。興行収入の一部を、東京都と群馬県にあるLGBTQ(性的少数者)の支援団体に寄付する。 女性の体で生まれ、男性として生きる真也(坂東龍汰)と女性のユイ(片山友希)が恋に落ちる。2人は同居生活を始めるが、ユイは子供をもつ夢を捨てきれなかった――。映画は2人の10年間を描きつつ、戸籍上の性別変更には厳しい条件があることや、性的少数者が子供をもつことの難しさを伝える。 「性的少数者を肯定的に捉えた邦画はまだ少ない」と飯塚さん。自ら手がけた脚本に、実体験を反映させた。例えば、主人公の真也は猫背だが、これは乳房を切除しておらず、無意識に体のラインを隠そうとしているため。「当事者だからこそ具体的に描けることがある」と力を込める。 飯塚さんは群馬県出身。女性として生まれたものの、中学生の頃から、自らの性が男性であると感じていた。高校生の時、親しい教諭に相談し、男子の制服で登校し始めた。トランスジェンダーであることを打ち明けると、友人らは受け入れてくれた。しかし、娘が結婚して孫が生まれることを待ち望んでいた母が「夢が全部崩れた」と落胆する姿に、思い悩んだこともある。 東北芸術工科大で映画を学び、2011年に制作した自伝的作品「僕らの未来」が、ぴあフィルムフェスティバルなど国内外の映画祭で高く評価された。飯塚さんは「中学の頃、周囲に相談できず孤立していた。同じように苦しむ若者に希望を届けたい」と願っている。 14日から、東京・新宿シネマカリテなどで公開された後、全国で順次公開。.