『それでも選挙に行く理由 WHY BOTHER WITH ELECTIONS?』アダム・プシェヴォスキ著(白水社) 2090円 : 書評 : 本よみうり堂 : エンタメ・文化 : ニュース

『それでも選挙に行く理由 WHY BOTHER WITH ELECTIONS?』アダム・プシェヴォスキ著(白水社) 2090円 #カルチャー

カルチャー, 米国

2021/10/28 23:35:00

『それでも選挙に行く理由 WHY BOTHER WITH ELECTIONS?』アダム・プシェヴォスキ著(白水社) 2090円 カルチャー

評・国分良成(国際政治学者・前 防衛大学 校長) 「民主主義は最悪の政治形態と言われる。これまでに試みられたすべての政治形態を除けばの話だが」。 チャーチル英元 首相の有名な格言は、本書の論旨に近いものがある。 だが今日の世界で

だが今日の世界では、権威主義体制の勢いが増し、逆に民主主義体制は揺らいでいる。米国における社会の分断や議会襲撃、EUの低迷、ミャンマーやアフガニスタンでの事態等々。民主主義の本質は市民の政治参加の拡大にあり、それは選挙に集約される。しかし選挙に関しても多くの疑念が顕在化している。ポーランドに生まれ米国で 教鞭(きょうべん) を執る著名な政治学者の著者は、本書のなかで選挙の限界をこれでもかというくらい指摘する。投票した候補者が落選する可能性も高く、当選しても公約はほぼ裏切られ、カネが飛び交う不正選挙もあり、非難合戦もあり、与党に有利なように選挙制度が作られていることも多く、選挙はエリートの再生産にすぎない等々。

それでも著者は選挙に大いなる意義があるとの論を張る。「すべての人が同時に統治者にはなれないので、せめてもの次善の策は、誰によってどのように統治されるかを選択することができ、好ましくない政府を排除する権利を保有することなのである」と。つまり、選挙とは「ルールのある紛争」であって、投票用紙は「紙でできた石つぶて」なのだ。対立する政治勢力が選挙結果に従い、敗者が次回を期すのは、民主主義の「奇跡」だという。過去35年、先進国で民主主義が崩壊した国がないとのことだが、そのことの意味は大きい。中国では次期指導者を決めるルールがない。だからその前に必ず隠微な権力闘争が起こる。そこに国民は不在どころかおちおち 噂(うわさ) もできない。権威主義のどこが優位なのか。

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東南アジア、影薄まる日本 貿易額が中国の3分の1

世界の成長センターとされる東南アジアで、日本の存在感が低下している。東南アジア諸国連合(ASEAN)との貿易額は、中国に抜かれ差が広がり、韓国にも追い上げられる。新型コロナウイルス対策の「鎖国政策」も響き、傾向に拍車がかかる。ASEAN事務局データベースによると、2003~21年の対ASEAN貿易額で、日本は08年まで米国と首位を争ったが、09年に中国に追い越され、21年には3倍近い差をつけら 続きを読む >>

『沖縄島料理 食と暮らしの記録と記憶』監修・写真 岡本尚文 文 たまきまさみ(トゥーヴァージンズ) 2090円 : 書評 : 本よみうり堂 : エンタメ・文化 : ニュース評・橋本倫史(ノンフィクションライター) 2022年、沖縄は復帰50年を迎える。来春から放送が始まるNHK連続テレビ小説も、沖縄料理がテーマとなる。節目の年を前に、『沖縄島建築』に続く「沖縄島探訪シリーズ」第2弾として、

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「民主主義は最悪の政治形態と言われる。これまでに試みられたすべての政治形態を除けばの話だが」。チャーチル英元首相の有名な格言は、本書の論旨に近いものがある。 だが今日の世界では、権威主義体制の勢いが増し、逆に民主主義体制は揺らいでいる。米国における社会の分断や議会襲撃、EUの低迷、ミャンマーやアフガニスタンでの事態等々。 民主主義の本質は市民の政治参加の拡大にあり、それは選挙に集約される。しかし選挙に関しても多くの疑念が顕在化している。ポーランドに生まれ米国で 教鞭(きょうべん) を執る著名な政治学者の著者は、本書のなかで選挙の限界をこれでもかというくらい指摘する。 投票した候補者が落選する可能性も高く、当選しても公約はほぼ裏切られ、カネが飛び交う不正選挙もあり、非難合戦もあり、与党に有利なように選挙制度が作られていることも多く、選挙はエリートの再生産にすぎない等々。 それでも著者は選挙に大いなる意義があるとの論を張る。「すべての人が同時に統治者にはなれないので、せめてもの次善の策は、誰によってどのように統治されるかを選択することができ、好ましくない政府を排除する権利を保有することなのである」と。つまり、選挙とは「ルールのある紛争」であって、投票用紙は「紙でできた石つぶて」なのだ。 対立する政治勢力が選挙結果に従い、敗者が次回を期すのは、民主主義の「奇跡」だという。過去35年、先進国で民主主義が崩壊した国がないとのことだが、そのことの意味は大きい。 中国では次期指導者を決めるルールがない。だからその前に必ず隠微な権力闘争が起こる。そこに国民は不在どころかおちおち 噂(うわさ) もできない。権威主義のどこが優位なのか。 さあ皆さん、来週の総選挙には必ず投票所に行き、貴重な一票を投じましょう。粕谷祐子、山田安珠訳。