ウツギ(Deutzia crenata)はアジサイ科ウツギ属の落葉低木で、全国に分布します。五月から七月初旬ごろ、日当たりのよい崖地や里山の道筋などで、よく分枝する枝先に、こぼれるばかりに真白い五弁花をふさふさと咲かせます。ウツギの木は丈夫な上、巨木化しないため、田畑の境界の目印となる境木(さかいぎ)として盛んに植えられてきました。境木には、クワ、カマツカ、マサキ、チャノキ、エノキなども植えられますが、ウツギはもっともポピュラーな境木で、古い言葉で境界をあらわす「クネ」という名がウツギの方言としても知られています。田畑の境木として植えられている上に、花期は田植えの時期と重なるため、ウツギには田植えに関わる「タウエバナ」「ソートメ」(早乙女)といった方言もあります。収穫を願って、田の水を引く水口に、ウツギの枝を手折って立てるといった習俗も知られています。
現代人はわざわざ用もないのに木の枝を折って断面を見たりはしませんが、かつては雑木の枝の髄を蝋燭の灯芯に使用していましたから、古代の人が木の使用目的により、その性質や特徴を把握していたとしても不自然ではありません。 「ウツギ」と名のつく木はこの木だけではなく、同じアジサイ科には、マルバウツギ(Deutzia scabra)、ヒメウツギ(Deutzia gracilis)、ノリウツギ(Hydrangea paniculata)、ガクウツギ(Hydrangea scandens)、コガクウツギ(Hydrangea luteovenosa)、バイカウツギ(Philadelphus coronarius)などがあります。
スイカズラ科にはツクバネウツギ(Abelia spathulata)やタニウツギ(Weigela hortensis)などがあり、ツクバネウツギ類は、枝が老化すると髄が消失する傾向もありますが、全体が中空にはなりません。タニウツギには髄がつまっています。髄があっても木の姿や花がウツギに似ているためにその名がついている、という説明も出来そうですが、それですとフジウツギ科のフジウツギ(Buddleja...
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