研究チームの一員でマックスプランク人類史研究所の考古学者であるヨハネス・クラウス氏は「細菌は少量しか存在せず、急速に分解してしまうため、分析はかなり難しいものでした。5年前であれば、誰しもが分析は不可能だと言っていたでしょう」と語っています。
分析の結果、遺骨から採取された菌株は、現代では熱帯地方にしか存在しないものや、現代にはすでに存在していない未知のものなど多岐にわたることがわかりました。さらに、遺骨から採取された菌株の一部は1400年代初期から中期までに限定されるものだったことが明らかになりました。これは、コロンブスがアメリカ大陸と接触する前にヨーロッパに梅毒が存在していた可能性を強く示す証拠になると研究チームは報告しています。 クラウス氏は、コロンブスが帰ってきた15世紀末の遺骨から採取された菌株が多様的なのは、当時すでに梅毒トレポネーマがヨーロッパに伝わって感染が広がっていたことによる可能性が高いと指摘しています。「コロンブスがさまざまな梅毒トレポネーマをごっそり持ち込んだか、あるいはコロンブスが帰ってくる前から梅毒トレポネーマがヨーロッパに入り込んでいて多様性を獲得したのか、そのどちらかです」と、クラウス氏は論じています。
一方で、ミシシッピ州立大学の生物考古学者で、古代トレポネーマの研究者であるモリー・ザッカーマン氏は「菌株の年代測定の精度によって変わるため、コロンブスが持ち込んだという説が完全に否定されたわけではありません」と述べ、通説がひっくり返されたかどうかは微妙と判断しています。 クラウス氏も、サンプルの年代測定の精度をより正確なものとしたいとコメント。当時のヨーロッパとアメリカ大陸のトレポネーマDNAを比較し、より多くのサンプルを分析することで、コロンブスがアメリカ大陸から帰ってくる前に存在した梅毒トレポネーマ株がどれなのかを特定することが次の課題としています。
そんな疑いかけられてたんか よかったなぁコロンブスさん
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