「クジラの言葉を理解するための研究」では一体何が行われているのか?

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マッコウクジラは人間の6倍という大きさの脳を有し、複雑な社会構造を持ち、「コーダ」と呼ばれるクリック音を使ったコミュニケーションと社会活動に多くの時間を費やしています。コーダは最短で10秒、長くて30分以上続くといわれていますが、クリック音を通してクジラたちがどのようなやり取りを行っているのかは、まだ謎に包まれています。そこでCetacean Translation Initiative(CETI)というプロジェクトでは、科学者によって「コーダを解読する」試みが行われています。

「クジラの声の解析」は長年、非常に困難だと考えられてきました。しかし、近年はAIを始めとするさまざまな技術が急速な進化を遂げており、これらの技術によって、これまで以上に深い調査が可能になると、海洋学者でありCETIのリーダーでもあるDavid Gruber氏は考えています。」は、ディープラーニングを利用して人間が書いたような超高精度の文章を作成できるとして話題になりました。CETIの研究チームは、同様の方法を駆使することで、人間であってもクジラの言葉を作り出せる可能性があると考えています。

しかし、ここでの課題は、ディープラーニングがその利用において膨大なデータを必要とすること。CETIは2021年時点で約10万回のマッコウクジラのクリック音を記録していますが、機械学習アルゴリズムを利用するには40億近いデータが必要だと言われています。このため、CETIは海中にマイクを設置しているほか、クジラを発見したらすぐにマイクを配置できるドローン、そしてクジラを追跡して音声を拾うロボット魚などを利用してデータ収集を行っています。 また研究チームは、データの量が増えても、既存の機械学習アルゴリズムでは正しい分析ができない可能性についても指摘しています。音声の分析は文章の分析よりも難しく、たとえば「アンブレラ」という1つの単語は文章であれば認識が容易ですが、音声だった場合に「アン」までが1つの単語なのか、「アンブレラ」で1つの単語なのかが曖昧です。加えて、人間同士であれば国が違っても言語パターンには類似点が存在しますが、クジラは人間と言語だけでなく行動も大きく異なります。

しかし、課題が多い分だけ、CETIは非常に価値の高いプロジェクトになると研究チームは考えています。動物たちの行動を学んだり、人間以外のコミュニケーションを理解したりすることで、今後開発される技術がより発展していく可能性があるとのことです。

 

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