新型肺炎で大規模イベント自粛相次ぐ 主催者苦悩 どうなる甲子園

 新型コロナウイルスの国内での感染拡大を受け、人が集まる行事を控える動きが全国各地で加速している。天皇誕生日の一般参賀(23日)が取りやめとなったほか、一般ランナーの参加を見送った東京マラソン(3月1日)など、スポーツイベントで特に顕著だ。感染経路が不明な事例が続々と判明する現状に、来場者の安全や健康を預かる主催者側は難しい判断を迫られている。

 安倍晋三首相は18日、首相官邸で開かれた新型コロナウイルス感染症対策本部の会合で、大規模イベントの開催に関し「専門家の意見を聞いた上で開催時期の見直しの必要性なども含め、国民に適切な情報提供を速やかに行ってほしい」と呼びかけた。

 大会を主催する東京マラソン財団が17日に一般ランナーの参加取りやめを公表したのは、エントリーが約3万8千人と膨大で「感染のリスクがぬぐえない」という判断からだった。

 出走予定だった千葉県市川市の男性会社員(24)は「走れないのは残念だが、国全体のことを考えればよかったと思う」と冷静に受け止める。

 同様の対応は、各地で開催される他のスポーツイベントでも広がっている。

 知的障害者のスポーツ全国大会「スペシャルオリンピックス日本冬季ナショナルゲーム・北海道」の実行委員会は約1千人が参加し、札幌市などで21~23日に開催予定だった同大会の開催断念を発表した。

 消毒液を約140リットル追加するなど準備してきたが「市中感染が疑われる事例も起きている。障害を抱える方が自分自身で予防するのは難しいと判断した」(担当者)という。

 甲子園球場(兵庫県西宮市)で3月19日に開幕する選抜高校野球大会も、多い日には4万人を超える入場者があることから、感染予防策の必要性に迫られている。日本高校野球連盟は今月19日の定例理事会で対策を話し合うとみられる。

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