関東・東京6校目は、関東8強で一番評価が高い花咲徳栄(埼玉)が選ばれた。大方の予想でも、東京準優勝の帝京より有利とみられていた。結果だけなら順当と言える。ただ、帝京の評価も悪くなく、選考は難しかったようだ。毎年のように6校目の選出は難しく、スッキリしない。関東、東京と違う大会に出場した学校同士を比べることに、そもそも無理がある。関東8強の最有力校と東京準優勝校とでワンゲームマッチをやったらどうか。

センバツは文字通り、主催者が「選び抜いた」学校を招く大会。秋季大会は1つの参考資料という前提は知っている。だが、それは一種の建前で、秋季大会が事実上“予選”になっていることも、みんな分かっている。ところが、関東か東京かという6校目の選出は当該校同士の勝敗を経ない。つまり、予選がないから恣意(しい)的判断を招きやすい。スポーツの良さは正々堂々やって勝ち負けがつくところにあるはずだ。

昨年は最有力とみられていた東京準優勝の東海大菅生が外れ、多くの人を驚かせた。横浜は関東大会準々決勝でコールド負けしたのに選ばれた。選考委員が「決め手は大会屈指の及川投手」と一選手の存在を最優先し、違和感が広がった。大会屈指の投手がいる学校は必ず選ばれるかというと、そんなことはない。地区や年によって選考基準が異なるのはおかしい。

地区ごとの出場校数も見直す時期だ。東北ではなく、東京の高野連から「実力が上がった東北が2校のままでいいのか」という声を聞いた。学校数に加え、地区のレベルにも応じた割り当てを検討していい。21世紀枠も選出理由が勝敗と懸け離れ過ぎると、スポーツ大会がいびつになりかねない。球児にとって、センバツのチャンスは2回しかない。より良い形を追求して欲しい。【アマチュア野球担当=古川真弥】