お手本は“世界一の自分”だ。昨年10月に右肘の手術を受けてリハビリ中の日本ハム清宮幸太郎内野手(20)が17日、自主トレ中の千葉・鎌ケ谷でマシン打撃を再開。世界選手権で優勝したリトルリーグ時代のスイングをイメージしながら、トレーナー付き添いのもと、緩い球を丁寧に打ち返した。

インターバルを挟んで計46スイング。初球こそ豪快に空振りしたが、その後は快音を響かせ「最初はタイミングが合わなくて変な感じでしたけど、肘も問題なかったし、徐々に慣れて、何球かいい打球を打てたかなと思う」。約3カ月半ぶりのマシン打撃だったが、頭の上下動が少なく、軸もブレない。「いい時の自分をイメージしながら打っているというか…。その結果かなと思う」。自然と、笑みが広がった。

「いい時」とは「リトルリーグの時です」と苦笑い。東京北砂リトル時代に出場した世界大会では、5試合を戦い12打数8安打6打点。3本塁打を放ち、打率6割6分7厘をマークした。投手としても2試合で2勝と投打に活躍し、米国でついたニックネームは「和製ベーブ・ルース」。中1とは思えない大きな体と、大人顔負けの打球の飛距離。米国メディアを驚かせた当時の動画を何度も見返し、イメージを膨らませた。

2月1日の春季キャンプは2軍スタートの可能性が高い。今後も肘の状態を見極め「無理せず痛くなったら休んで、焦らずにやりたい」と、慎重に全快の道をたどる。【中島宙恵】